2021年07月28日 配信

アジア芸術文化促進会代表 王 文強(おう ぶんきょう)さん(34)


舞台に立つ王さん。演者は面を付け、扇子などを用いて音楽に合わせて踊りながら、扇子や手が顔を隠した一瞬のタイミングで、別の面に替える。次々と変わる面の技の秘密は「中国の国家機密」と言われている。この神秘的なパフォーマンスは、中国伝統芸能の「絶技」と称される

プロフィール
中国・安徽(あんき)省生まれ。12歳から中国伝統劇を学び、安徽省銅陵(どうりょう)市芸術劇院所属の役者として舞台経験を積む。2009年には王さんが主演と演出を務めた伝統劇作品「秀才与かい子手(しゅうさいとかいこしゅ)」で第八回全国戯劇文化賞演技金賞・演出賞を受賞。2014年に来日、2018年日本大学大学院を卒業。同年「アジア芸術文化促進会」を設立。
HP https://www.asiaac-pa.com/jp/profile/

国際青少年交流の担い手として、「変面」と共に新たな可能性を築く

 船橋市三咲在住の「変面」役者王文強さんと妻の晶(あき)さんが、中国の伝統芸能の促進や日中青少年交流活動を行うために「アジア芸術文化促進会」を設立したのは2018年。二人の「中国文化の発信や交流活動ができる団体を作りたい」という共通のビジョンが形になった。

 「変面」とは中国四川省の伝統芸能の一つ。元々川劇(せんげき)(四川省の劇の略称)で、登場人物の入れ替わりや感情の変化を表す表現手法として劇中で使われていた。現在はそのパフォーマンス性の高さから、一つの独立した伝統芸能として上演されるようになった。

 王さんは2014年に日本大学大学院芸術学研究科舞台専攻入学のため来日、同大学院を卒業している。文化交流ステージで来日した際に日本の伝統芸能に触れ、中国の伝統芸能との違いや共通点を研究したいと思ったという。日本大学には日本を代表する芸術学部(演劇コース)があり、中国の大学(中国戯曲学院)とも提携があった。

 晶さんとの出会いは、王さんが日中文化交流イベント出演のため来日した際、当時中国国家観光局東京事務所で働く晶さんがアテンドしたことからだったという。

 2019年には同会を一般社団法人化し、現在は東京を中心に長崎、福岡、大阪、栃木など全国各地で芸術文化を紹介するイベントの企画や出演、日中青少年交流活動を行っている。

 王さんは現在、変面の新たな可能性を探るため日本の劇作家とコラボし、「変面を使った一人芝居」の制作を進めている。上演は今秋11月頃を予定しているという。

 同会の会員制度を今後導入していく予定で、メンバーになるとイベントの案内が優先的に届くようになる。また運営に携わるボランティアスタッフも随時募集していくという。「中国の文化芸術などを、今後船橋の方々にも楽しんでもらえるような企画ができたらと思っています」と王さん。


王さん(右)と晶さんと長男。2019年の秋、王さん一家は三咲に移住。晶さんは「三咲はアンデルセン公園や船橋県民の森など、自然を感じられるレジャー施設が近く、温かい人情味のある市民性を感じます」と話す。現在、王さんの企画サポートやプロデュース業務、会社運営のマネージメントを行う

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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