2021年07月02日 配信

各専門分野で船橋の街づくりにおける第一線で活躍されているみなさんに、
船橋の街づくりにおいてどのように関わっていらっしゃるのか、直撃インタビュー!

千葉県船橋遊技場防犯組合組合長
織田信幸さん

松戸市出身。創業61年になる、パチンコ店「百万弗」(船橋市本町4)を平成9年、29歳の時に父・金宗植さんから引き継ぐ。平成14年に千葉県船橋遊技場防犯組合の組合長就任し現在に至る。金さんは同組合の3代目組合長を務めている

市内管轄エリアの遊技施設(パチンコ店など)を統括する「千葉県船橋遊技場防犯組合」は、船橋市に毎年防災に役立つ機材などの寄贈を続けています。かつて寄贈したリヤカーが「東日本大震災では大いに役立った」と松戸徹市長は言います。そこで、同組合の名称に「防犯」と入る理由や、防犯物資の市への寄贈に対する思いなどを6代目組合長・織田信幸さんに伺いました。

千葉県船橋遊技場防犯組合の取り組み
・地域住民の防災意識の向上を目指し、災害対策物資を支援船橋の防災に強いまちづくりへ貢献→同組合、遊技施設(パチンコ店など)の存在価値への理解も促せれば
・パチンコをはじめとした遊技施設はコロナ禍で不要不急と言われる産業だが、心を癒す産業でもあることもアピールする

船橋警察署管内防犯組合連合会の一員である同組合

MF●船橋市への「避難体験VR」「アンブルボード」の寄贈式で取材させていただきましたが、まず組合の名称に「防犯」とあるのは、なぜなのでしょうか?

織田さん●この防犯組合は警察署単位で存在し、所轄内の安心安全なコミュニティづくりに業界を挙げて取り組んでいます。警察署が行う年末の防犯パトロール出陣式には毎年参加しています。当組合の管轄は船橋警察署になり、東船橋警察署には「千葉県東船橋遊技場協同組合」があります。

MF●そうなんですね。ほかにはどのようなことをされていますか?

織田さん●店舗のビル外壁などに防犯カメラを設置し、その映像を警察に提供することで事件解決への協力をしています。

斜陽産業の兆しはあるも孤立しがちな高齢者や若者の救いの場としての機能も

MF●今組合に加入している店舗はどのくらいですか?

織田さん●当組合は昭和33年に設立しました。加入店舗は現在23店舗ですが、多いときは47店舗ありました。組合長の店舗で事務所を兼ね、経費節減を図っています。

MF●パチンコ店の利用者も減っていますか?

織田さん●昔は全国で3000万人いたと言われていますが、今は約1000万人です。パチンコをする若い人が減っています。60代から70代は高齢化により外出できなくなり、コロナ禍では余計出かけられなくなってしまいました。若者に来てもらえるようスロットを増やすなど努力もしていますが、厳しい現状が続いています。

 ただ東日本大震災の時には、お年寄りが怖くて一人で自宅に居られない、気晴らしにパチンコに来られてよかったという話も聞きました。このコロナ禍でも、孤独に陥りがちですが、「パチンコをして気分転換できた」とも聞きました。十分な感染対策をしていますし、実際にクラスターは起きていないです。

MF●娯楽を提供するだけでなく、孤独から高齢者や若者を守る役割もあるんですね。

地域住民の防災意識を高め防災グッズを船橋市に寄贈

MF●組合の主たる目的になっている防犯についての思いや、市長が東日本大震災で役立ったと言われていたリヤカーについて教えてください。

織田さん●地震大国といわれる日本では、平成7年阪神淡路大震災を契機に、人々の防災意識が高まり、防災対策の重要性が再認識されました。以来、多くの地方自治体が防災まちづくりに取り組んでいます。わたしたち遊技業者も、地域の一員として果たすべき役割があると考え、当組合では、平成19年の組合会議で防災対策事業を積極的に支援していくことを決議しました。船橋市役所の防災課と協議を重ね、住民の防災意識の向上を図り、災害発生時に必要となる物資の支援を行うことを決めました。

MF●阪神淡路大震災がきっかけだったんですね。

織田さん●当組合はまず、災害時に緊急避難場所での緊急物資の運搬を容易にするため、平成19年災害発生時に住民の緊急避難場所として指定の市内55の小学校全てに、リヤカーを寄贈しました。リヤカーは狭い路地などでも小回りの利く物資運搬用の折りたたみ式(総額245万円相当)を採用しました。アルミ製なので軽いです。現在、リヤカーは各小学校で緊急時に備え管理され、生徒たちの防災に対する意識を高めるための教材としてなど、さまざまな面で活用されています。

引き続き防災対策支援を継続イメージアップも期待

織田さん●当組合は、平成20年も引き続き防災対策支援を行っていくことを決め、市民の防災に対する意識の向上を図ることを目的に、防災対策広報冊子を3万部(総額約210万円相当)船橋市に寄贈しました。それから毎年、防災課と協議しながら市の要望を受ける形で、必要なものを寄贈させていただいています。我々の創設40周記念の平成10年には、救急車(総額1000万円相当)を寄贈させていただきました。

MF●救急車とはすごいですね!

織田さん●防災まちづくりとは、災害に強い地域社会の形成にほかならないです。行政単独の取り組みだけでは不十分で、市民や企業をはじめとした地域全体が参加してこそ成し遂げられると考えています。大切なのは、行政、市民、企業の連携で、平時から地域の防災に関する情報や認識を共有し、事前に協力関係づくりや対策を進めることで来る災害に備えることだと思います。

 娯楽やレジャーを提供する遊技業者も地域を構成する一員として果たすべき役割があると考えています。

MF●そのような思いの下の支援なんですね。ありがとうございました。


今年の「アンブルボード」寄贈式の様子


「アンブルボード」は防災・災害時の夜間に情報伝達や避難誘導をするための伝言板


昨年は防災訓練用機材として「避難体験VR」を寄贈

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

スポンサードリンク

MyFunaの最新情報はこちらから
関連キーワード