2021年05月30日 配信

各専門分野で船橋の街づくりにおける第一線で活躍されているみなさんに、
船橋の街づくりにおいてどのように関わっていらっしゃるのか、直撃インタビュー!

船橋市西図書館 館長
柴山 和香子さん

 

船橋市出身。司書資格を持つ。船橋市役所文化課などを経て、2011年度旧西図書館へ異動。その後中央図書館へ移設した郷土資料室を担当するなどし、2017年度現西図書館に異動、2018年度館長補佐、2020年度から館長就任。2017年7月公開の船橋市デジタルミュージアム創設の発起人でもある

2013 年1 月、「船橋市図書館サービス推進計画」を策定。2017 年から準備を進めてきた電子書籍サービスは、今年1 月15 日から始動、さらに今年3 月には市内4 図書館と14 番目となる図書室がネットワーク化されました。これまでの、そしてこれから目指す図書館サービスについて、昨年度館長に就任された柴山和香子さんに伺いました。

船橋市の図書館の取り組み
・「いつでも・どこでも・だれでも」図書館サービスを利用できるようネットワーク化を推進
・3 図書館に指定管理者制度を導入し、民間活力を利用した図書館サービスの向上を目指す

民間の工夫などを生かした船橋市指定管理者制度

MF●市内には4つの図書館があり、西図書館だけが市職員による直営なんですね。

柴山さん●はい。以前は、4館すべて市の直営図書館でしたが、2017年度から導入の指定管理者制度の下、市の直営は西図書館だけになりました。行政と民間の良さを生かしながらサービス向上を図り、市民の皆さまの「読みたい・調べたい・学びたい」に応える地域の情報拠点を実現していきたいと考えています。

船橋市デジタルミュージアム公開にかける想い

MF●昨年度、船橋市デジタルミュージアムがリニューアルされましたね?

柴山さん●はい、5月にリニューアルしました。

 図書館法に「図書館とは図書、記録その他必要な資料は一般の利用に供し、その教養等に資することを目的とする施設」とあります。西図書館が所蔵している浮世絵などは貴重資料なので、年に1回の展示会などでしか披露できず、市民が目にできていないことが課題であると感じました。2012年度に資料の保存と利用の両立を図るため、浮世絵、地図、絵図など約800点のデジタル化に着手しました。

 公開してからの総アクセス件数は2021年3月現在約236万件、多くの方に閲覧していただいています。緊急事態宣言で学校が休校していた時期は、リニューアルしたこともあり、アクセスが相当伸びましたよ。

 高精細画像、そして検索システムが優れています。画像が鮮明なので、拡大しても割れない、肉眼で見るより見えるところがポイントです。

MF●貴重な資料を多くの人が見られるのは、デジタル化のお陰ですね。

コロナ禍ではじめた電子書籍サービス

柴山さん●電子書籍サービスは指定管理者からの提案により昨年度導入を決めていたもので、当初の予定は雑誌・新聞記事が中心でした。コロナ禍でジャンルやコンテンツ(点数)をもっと増やそうと、市が協力し、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し作り上げました。現在約1万コンテンツあります。

MF●登録者数はどのくらいですか?

柴山さん●今年1月15日から始まり、3月末時点で約5500人です。

MF●需要があったということですね。

柴山さん●そうですね。電子は電子の良さがあるので、新たな特集を組むなどして内容を充実させたいと思っています。読み上げ機能、字の拡大などができるので、電子書籍と実際手にして読む本を使い分けていただければと思います。

ネットワーク化の推進と有効性

MF●船橋はエリアが広く、ネットワーク化が期待されます。

柴山さん●地域の皆さんにとって「いつでも・どこでも・だれでも」図書館サービスを利用しやすくする」ことを目指しています。3月から始まった大穴小学校市民図書室の拠点拡充に続き、今年度は飯山満・八木が谷の各図書コーナー、松が丘公民館図書室をネットワーク化する予定です。

MF●ますます便利になりますね!

柴山さん●ネットワーク化により、約160万冊の本やCD、DVDが借りられるようになります。

 コロナを経験し、拠点の拡充は意味があると思いました。前年比だと席数を半分にしているにも関わらず、昨年度より貸出者数など増えている月がありました。同時に、4図書館より公民館図書室などでの利用が増えました。拠点の拡充の大切さがわかり、ネットワーク化の有効性も感じています。現在4図書館と14の公民館等図書室をネットワーク化し、図書貸出返却窓口も2カ所、さらにブックポストの設置や移動図書館もあります。

ネットワーク化のその後はアウトリーチサービスの進展

柴山さん●今後は来館者へのサービスに加えてアウトリーチサービスを充実させていけたらと思います。

MF●アウトリーチサービスとは?

柴山さん●図書館を出て、これまで図書館サービスが届かなかった利用者の近くまで出向き、貸し出しなどの図書館サービスをその場で提供する活動です。

MF●次なる課題はソフト面の充実を図るということなんですね。

 本日はありがとうございました。


船橋市西図書館。全図書館の令和元年度利用者数は年間約154万人。1日当たりの利用者数は西図書館約1200人、中央図書館約1700人、東図書館と北図書館が各約1000人

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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