船橋市漁業協同組合
海苔担当理事 滝口 光宏さん
貝捲(かいまき)組合長 吉種 信二さん
各専門分野で船橋の街づくりにおける第一線で活躍されているみなさんに、
船橋の街づくりにおいてどのように関わっていらっしゃるのか、直撃インタビュー!
1970年、船橋市生まれ。代表を務め7年になる。組合の役員も務める
右)船橋市漁業協同組合 貝捲(かいまき)組合長 吉種 信二さん
1963年、船橋市生まれ。昨年から代表を務める
「船橋市漁業協同組合」の中でも、三番瀬で目籠(貝を採る籠状の漁具)を捲きあげてホンビノス貝を採る貝捲と海苔を生産する海苔養殖の各代表に、それぞれの現状や苦労されていること、今後の展望などを伺いました。
・漁場環境の改善
・水産物のブランド化の推進
厳しいコロナ禍での漁業
MF●船橋市における海苔の生産、貝の漁獲について現状をお伺いします
吉種さん●ホンビノス貝は店頭にも並びますし、飲食店で料理として市民の皆さんには届くと思います。でもコロナ禍にあり飲食店の自粛営業が続いているので、貝を売れる場所が減っています。最近は捕れる量も減ってきているので、厳しいなという印象があります。滝口さんはどうですか?
滝口さん●海苔も同じです。去年より価格が下がっていて、コロナの影響もあり全国的にも値段が下がっています。海苔は1年かけて作るので、鮮魚に比べ影響は1年か2年経ってから出てくるとは思います。
ただ現状では行楽がないし、リモートワークによりコンビニのお弁当やおにぎりの需要も減っているので、影響は大きいですね。
MF●コロナの影響は多くの場所に出ているんですね。緊急事態宣言が2週間延長されたことも、さらに影響があったのでは?
滝口さん●この時期は送別会などがありますから、影響は大きいと思います。
吉種さん●コロナもそうですが、2年前の千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号の影響は大きかったです。温暖化で水温が下がりきらなかったり、残暑が続いていると思ったらいきなり冬になり春と秋が短かったり、人間と一緒で魚だって調子が狂うわけです。さまざまな影響があります。
滝口さん●南の魚の北限が上がってきています。すると、付随して漁場の環境も変わってくるんです。
組合員数は減り続けるも歴史とやりがいのある漁業
MF●現在の組合員さんの数について教えていただけますか。
吉種さん●貝漁師は45軒あります。親子で漁業されている方もいるので、人数としては49人です。
滝口さん●海苔漁師は4軒で同じく7人です。戦後昭和20年頃は組合員1300軒ほど、海苔だけでも1000軒あったと聞いています。わたしが組合に関わった33年前も組合員500軒ほどありました。
MF●減ってしまったんですね。仕事のやりがいを教えてください。
滝口さん●半分意地もあり、続けています。だって、徳川家康が開いたという漁場、その歴史ある伝統と先祖代々受け継いできて今があるので。私たちの海で採れるもの、魚も貝もおいしいので、船橋の人にはもちろん、全国の人に食べてもらいたいです。『船橋の海苔はおいしいね』って言われるほどうれしいことはないですし、やりがいを感じます。
吉種さん●やっただけ毎日結果がわかるので、やりがいや魅力を感じています。ただ自然相手なので、急に天候が悪化して海が荒れてくれば慌てますし、ライフジャケットは必須ですよ。もう帰れないかと思ったこともありました。
広く知ってもらいたい魅力ある海苔とホンビノス貝
MF●船橋の漁業や組合としての展望について伺えますでしょうか?
吉種さん●ホンビノス貝は認知度も上がってきて、ハマグリより濃厚な味わいで濃いダシが出ます。ハマグリよりもお求めやすいですし。船橋の海にこんな資源があることを広く知ってもらいたいです。
MF●船橋漁港でクラムチャウダー選手権なども行われましたものね。
吉種さん●今年も開催予定です!
滝口さん●船橋の海苔は『味付海苔ですか?』と聞かれるくらい、味と香りに特徴があります。千葉でも船橋の海苔はさらに特徴があります。
MF●はい。間違いなく、どちらもおいしい!!です(笑)。
組合としての活動を伺えますか。
滝口さん●海苔と貝で動きは違いますが、漁場管理はお互い人手が足りなければ手伝いますし、三番瀬というメインの漁場は一緒なので、共に漁場管理しています。どちらかだけではなく、全体でよくなっていかないといけませんからね。
MF●そうですよね。最後に、私たち市民が関われるイベントなどはありますか?
滝口さん●市民など一般の方が参加できる恒例イベントとして、4月3日の船橋漁港で行われる「水神祭」、9月1日の「八朔一日海難慰霊祭」、12月1日の船玉神社の「船玉神社例大祭」、2月28日の不動院の「大仏追善供養」があり、組合主催で行われます。 昨年は叶いませんでしたが、例年湊町小や船橋小の子が参加するイベントもありますよ。
MF●子どもたちにとって船橋の漁業の歴史を知るいい機会ですね。本日はありがとうございました。
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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