2021年02月01日 配信
 
市民の不安や疑問が寄せられる「ふなぽーと」の今


▲緊急事態宣言発令中は電話で相談を受け付けている

 船橋市保健センターの中にある「ふなぽーと」。船橋市医師会が船橋市から在宅医療支援拠点事業を受託し、病気の相談や介護保険の使い方、先々の見通し、退院後のこと、病院に通いにくくなってしまったのでどうしたらいいのかなど、市民の不安や疑問などに応える場として、開かれた場となっている。

 コロナ禍における今、同所に寄せられる不安は相談は、どのようなものが寄せられているのか、「ふなぽーと」の佐々木さんに伺った。

面会制限、受診控え、サービス利用控えの影響とは

 「今、相談内容で多いのは、訪問診療以外の受診、受療に関して、訪問診療に関して、退院後の療養に関しての順になっています」と佐々木さん。ここで事例とともに、佐々木さんが感じたことをお話いただいた。

 まず、入院中の事例。コロナ禍で面会ができないため、家族が本人に今までのように会えずに、本人は退院。実際に会ってみた時、「こんなに(歩けなく)なっていると思わなかった」とか『食事を食べ始めていたのも(食べていなかったのも)知らなかった』などの声も聞かれます。

 ほかにも、相談を受けるにあたりご本人の様子を伺うと「今はなかなか(面会に)行けないので良く分からない」とおっしゃる方がとても多いです。

 入院先では、このような状況の中でも工夫をしての病状説明の実施、退院時のカンファレンスを行うなど、できる範囲での最大限のことをしていると思います。ご家族だって、面会できても短い時間だし「そんなに変わりないのでは?」と思ったりもしますが、改めて感じたことは、病状説明等で病状を理解していただくことはもちろん大切で必要なのですが、家族って、例え短い時間で顔を見るくらいの面会であっても、顔色や表情、声などで「元気になってきた」「調子悪そう」とか直観や肌で感じるような部分って大きいんだなと感じました。このように家族も悩んでいることを感じながら、このような時だからこそ、私たちもていねいに進めていけたらと思っています。

 もう一点は「受診控え」。慢性疾患で通院している方は多いと思います。内服治療をしている方も多いと思いますが、途切れることのないように受診をしていただきたいです。

 受診もしなくなり、ほぼ外出をせず、サービス利用も控え、自宅で一日中座って過ごした結果、「今までできていたことができなくなった」という話もよく耳にします。慢性閉塞性肺疾患の方で入退院を繰り返していた方は、コロナ禍で人との接触を減らしたいと訪問看護の日数を減らしたため、本来であればもっと軽い症状で短期間の入院で済んだはずが病状悪化で長期の入院になった方もいらっしゃいます。受診控えで、昨年1年間どこにもかかっていないというケースも珍しくありません。動けなくなったなどでいざ介護保険を利用したいと思っていても、かかりつけ医がいないため申請に時間がかかる事例もあります。改めて「かかりつけ医を持つ大切さ」を引き続き伝えていきたいと感じました。

 このように不安定な時でも、変わらぬ日常生活が継続できるような支援を、医療、介護共に連携して一緒に考えていきたいと思います。

取材協力

 
船橋市医師会 
船橋市在宅医療支援拠点 ふなぽーと 総括者・訪問看護認定看護師
佐々木 ゆかりさん
TEL 047-409-1736

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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