2020年12月29日 配信

珈琲にはそれぞれの物語があります。船橋市内には遠くの離れた農園から運ばれた珈琲豆を慈しむようにお店で焙煎し、日々おいしい珈琲の提供を目指しいるお店があります。今回はその一部をご紹介!焙煎珈琲の世界をお楽しみ下さい。

夏見
喫茶いずみ

店主は飽くなき探求心の珈琲専門家
マニアにも愛される店

 マスターの伊藤さんが珈琲に目覚めたのは学生時代。「バイト先でお客さんから豆のことを聞かれたりセミナーを受けたりするうちにはまってしまいました」と伊藤さん。
 手焙煎を定期的に行うなどして常に自分の珈琲の感性を磨き続けていて「珈琲は農作物。同じ銘柄でも毎年違うので、店で売っている豆と同じものになるよう焙煎で調整しています。人間の感覚と機械の精鋭で常にいいものを目指して焙煎しています。ですが、ひとつできるとまた新しい扉が開き、一生できる仕事だと思っています」と話す伊藤さんは、まさに職人そのものです。

住所:船橋市夏見台1-1910-107
TEL:047-767-0915
営業時間:10:30~19:00
定休日:月曜 年始1月1日~1月4日 祝日は要確認

行田
ふくろう珈琲 

1粒ずつ手作業で豆を選別
仕入れ〜販売もする福祉作業

 
珈琲豆やオリジナルドリップパックを売するカウンターの向こうには、明るい作業スペースが広がっている

 2020年5月にオープンした「ふくろう珈琲」は珈琲豆の焙煎と販売の福祉作業所です。福祉作業所の設立を検討していた植草さん兄弟は、弟の悠さんが自家焙煎の経験があることから珈琲焙煎の作業所を立ち上げることに。
 こちらでは生豆を1粒1粒手作業でチェックし、割れやカビのある豆を取り除いてから焙煎します。「こうした『欠点豆』は雑味の元になるので、裏表ていねいに目視でピッキングします」と三枝佑太さん。
 使用する生豆は、生産者が明確で評価の高いスペシャリティ珈琲を7種類仕入れているのだそう。「一押しはペルーのヴィラリカ農園の『オコネル』。国際機関(SCAA)から高評価を得たもので、農園から直接仕入れています」と悠さん。
 店内でひと際目を惹く焙煎機は、ガラス越しに中が見え、回転する3本のシャフトからの約250度の熱風で焙煎する様子が見えたときには、コーヒーファンなら心躍ることでしょう。「珈琲は鮮度が命」と考える植草さん兄弟は、焙煎から1週間以内のもののみ提供をしています。


入り口にある珈琲の木に「コーヒーチェリー」がなっていました。種は珈琲豆


ひと粒ひと粒生豆を手作業で選別して不良豆を取り除く


焙 煎 機・NOVO MARKIIは焙煎中の豆と取り除かれたチャフ(珈琲豆の薄皮)が見える 


店舗は、街づくりプロジェクト「塚田のなかにわ」の中にある


副代表・植草悠さん(左)、管理者・三枝さん(右)

住所:船橋市行田1-45-17 塚田のなかにわIII 1B
TEL 047-460-9261
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜 12月28日~1月4日休み
P:あり

津田沼
珈琲豆のおおつか

前身テナントからの継承で
焙煎の奥深さに惹かれた店主

    
250度の熱風で焙煎したばかりの珈琲豆。色艶よく香ばしい

 津田沼駅北口、JRと津田沼十字路の中間にある珈琲店。実は、テナントの焙煎珈琲店が撤退するにあたり「ここの通りにはチェーン店が多いので、このようなお店がこの街には必要」とビルオーナーだった大塚さんが引き継いだお店なんです。
 店に立ち、大塚さんは焙煎珈琲の奥深さに魅かれ、2014年には店名を変えて「自身の店」として再オープン。
 「おいしい珈琲を自宅で楽しんでいただきたいので、家庭で淹れてもおいしい豆を提供しています」と大塚さん。
 同店一番人気は「プレミアムブレンド」(800円/生豆100g)。豆は生産者がわかるスペシャリティコーヒーの中でも評価が高いものを厳選。カフェインレスやレア豆も扱っています。
 「珈琲のおいしさの原点は、煎りたて、挽きたて、淹れたて」と大塚さん。そのため、注文を受けてから生豆を約5分で焙煎して提供します。
 地元地名のご当地ブレンド「船橋」「習志野」「津田沼」など、地元に根差した商品も注目です。


オリジナルパッケージの商品の数々にワクワク。ギフトにぴったり


上)焙煎直後に珈琲豆を吸引した外気で冷却し、2分位で常温に戻す
下)店内に鎮座する焙煎機「JETROAST」に計量した生豆を入れ、設定ボタンを押して焙煎スタート


人気のご当地ブレンド。右から「船橋」「習志野」「津田沼」。オリジナルドリップパックなども揃えている


店長・大塚智明さん

住所:船橋市前原西2-13-13 大塚ビル1F
TEL: 047-455-4750
営業時間:月~金曜11:00~19:00、土日祝11:00~18:00 
定休日:年末年始(12月30日~1月3日)、お盆時期

習志野台
こーひー豆のゆら

質の良い豆を仕入れることに
全力を注ぐ店


プロバット社の焙煎機は、半熱風式による焙煎。釡が厚く、蓄熱性に優れているため、焦げもできずおいしい味を引き出せるという

 薬円台公園にほど近い場所にある珈琲豆の販売店。店主・松浦さんは元々珈琲が好きで、「珈琲豆の栽培から焙煎までを現地で見たい」とブラジルとアメリカへ旅立ってしまったほど。
 珈琲豆は、品種、品種土壌によって味のベースが決まるなどの奥深さに惹かれ、また、珈琲があることで人と人が繋がれる場を生み出すことに魅力を感じ、2004年に同店を開業しました。
 昨年より息子の雄太(ゆうた)さんも焙煎を主に担当。家族で切り盛りする温かい店なので、珈琲のことはもちろん、つい松浦さん一家に会いに行きたくなるそんなお店です。
 「おいしいと感じた品質の良い珈琲豆だけを常時20種類ほどそろえています。上質でおいしい珈琲豆というのは、それだけで、もうおいしい珈琲が淹れられるようなもの。その中でもさらに、お客さまの好きな味を一緒に追求していきたいですね」と松浦さんは話します。


珈琲豆の焙煎をチェックする「カッピング」。毎日行い、味や香りをチェックする


販売する袋詰めされた珈琲豆。手軽に淹れられるコーヒーバッグも用意する。初めての方へのおすすめは「夢の中へ」というブレンド。深いコクと甘さでブラックでもカフェオレでも楽しめます 


珈琲と相性の良い「TonPat(iトンパティ)」「カフェkoya」の焼き菓子も販売


店主・松浦一人(かずと)さん

住所:船橋市習志野台4-69-11
TEL: 047-461-7273
営業時間:10:30~18:00
定休日:月・火曜
P:あり

本町
Philocoffea Roastery & Laboratory(フィロコフィア)

最先端の自家焙煎機で
雑味のない、きれいな味の珈琲を

   
世界の名だたる珈琲店が使用する焙煎機で、粕谷さんの求める珈琲豆に仕上げてくれる名器。価格も最高峰なのだとか

 本町2丁目、中央公民館近くにある「フィロコフィア」は、バリスタ世界チャンピオンに輝いた経験を持つ、粕谷哲さんが3年前にオープンさせた、カフェ兼焙煎所。(現在はコロナ禍のため豆のみの販売)
 粕谷さんと珈琲との出会いは、以前、粕谷さんが病気になった時に遡ります。糖質がない飲み物を探したときに出会ったのが、珈琲。当時勤めていた会社を退職し、カフェに就職。バリスタの勉強を始め、その奥深い世界に引き込まれ、バリスタ世界大会で優勝するまでになりました。
 「珈琲の魅力は、間口が広いところ。焙煎方法、淹れ方、味の好みなどが幅広く、多くの人に受け入れられています」と粕谷さん。焙煎は、厳選した生豆を熱風のみで焙煎することで雑味の少ないきれいな味になるように仕上げているのだそうです。
 姉妹店として船橋駅直結、シャポー船橋南館1階にあるコーヒースタンド「ラダーコーヒー」(営業時間10時から21時。)でも同店と同じコーヒーが楽しめます。ここでしか飲めないようなコーヒーやカクテルなども。「テイクアウトも出来ますので、お出かけの際にぜひ」と粕谷さん。


世界初の数値化した淹れ方による抽出方法で、粕谷さんの味の再現性を高めている


取り扱う珈琲豆の種類は、常時約10種類。産地、農園など粕谷さんが厳選した豆を取り揃えている。豆は100gから販売。「012RUDDERBLENDMedium(ラダーブレンドミディアム)」などは、「ふなばしセレクション」認証商品にもなっている


フィロコフィア店舗外観。代表の粕谷さんは、2016年、コーヒー抽出の世界大会「WorldBrewersCup」でアジア人初の世界チャンピオンに輝いた人物。粕谷さんの淹れ方に適したドリッパーやミニドリップケトル、こだわりのカッピングツールなど、粕谷さんが選ぶコーヒー器具も多数そろう


代表取締役(CEO)・粕谷哲さん

住所:船橋市本町2-3-29
TEL: 047-460-9400
営業時間:10:00~17:00
定休日:月・火曜

松が丘
D-COFFEE(ディーコーヒー)

手廻しサンプルロースターでの
自家焙煎珈琲を自宅で製造

   
自宅ガレージでの試飲販売はこのようなスタイルで。4種類ほどのサンプル珈琲を試飲してもらい気に入ってもらえたら購入してもらうのだそう。販売予定はお店のインスタグラムで情報発信中

 手廻しの小型焙煎器で煎る珈琲豆販売店の「D-COFFEE」。製造場所は松が丘4丁目のコンビニ近くのご自宅なんです。2020年10月から月1回の自宅前での試飲販売と「市場カフェ」(船橋市場内)で毎週木曜にオーナーの大町のり子さんが「D-COFFEE」オリジナルの珈琲を提供しています。
 焙煎との出会いのきっかけは「将来は夫婦でカフェをやりたいから」とカフェ巡りをしていたとき、珈琲豆販売店で手網焙煎のセットを手にしたことから。その後、焙煎にのめり込んだ大町さん。カフェ開業までの練習も兼ねて少し売ってみようと販売をスタートし、徐々に販売場所を広げています。


焙煎した豆は1袋100g入りで販売(500円から)。「WinsHome」と美容室の「Lachouchou」(ともに船橋市習志野台2。エビス通り沿い)で購入可能


サンプルロースターとは、業務用の大型焙煎機で焙煎する前のテスト用の焙煎器のこと。1秒1回転で焙煎時間は約20分。その間、熱の入り方を調整するため、温度、香り、色などをこまめにチェックするのだとか


オーナー・大町のり子さん

住所:船橋市松が丘4丁目、セブンイレブン近く
TEL: 050-7110-2511
営業時間:月1回自宅ガレージで販売、毎週木曜は「市場カフェ」でコーヒーの提供と販売
定休日:不定休

 

「おじさん珈琲」であなたもコーヒーと街をつなぐ一員に!

 船橋市場の中にあり、私たちMyFuna編集部が運営する「市場カフェ」。そこにあるのが、市場カフェのマスター・山﨑健太朗がプロデュースする「おじさん珈琲(時に珈琲女子も)」というチーム。
 このチームは珈琲を淹れられるようになった人たちが、地域社会にあるデッドスペース、空き家、シャッター通りなどを活性化しよう!というチームなんです。
 珈琲屋台としてお客さんからお金をもらって差し支えない程度のハンドドリップコーヒーの知識と経験を積む初級編講座を受講し、正規おじさん珈琲会員(有料)になったメンバーは「、市場カフェ」での一日マスターとして店頭に立ち、お客様に珈琲を提供しすることができ、ちょっとしたカフェマスター気分を味わうこともできます。
 D-COFFEEさんのように、ご自分の焙煎した豆を持ち込んで、みなさんに飲んでもらうのもOK。
 珈琲が好き、街を元気にできたらいいな…! そんな方は、ぜひ一度、おじさん珈琲のFacebookページをフォローしていただくか、市場カフェにお越しくださいね。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

スポンサードリンク

MyFunaの最新情報はこちらから
関連キーワード