2020年12月29日 配信

各専門分野で船橋の街づくりにおける第一線で活躍されているみなさんに、船橋の街づくりにおいてどのように関わっていらっしゃるのか、直撃インタビュー!

船橋市地域公共交通 活性化協議会 会長 辻 恭介さん

 

プロフィール
1976年札幌市生まれの埼玉県さいたま市育ち。1999年東京大学法学部卒業、総務省入省。2019年船橋市副市長、船橋市地域公共交通活性化協議会会長就任。「大学在学中はよくザウスでスキーをしましたし、子どもが生まれてからはアンデルセン公園にお世話になっています」と辻さん。「東大ピアノの会」出身で、ピアノ演奏はプロ級と評判

「新しい生活様式」が続くとされるウィズコロナの中、ウイルス感染症拡大防止のため、公共交通機関はさまざまに対策しています。市内の交通不便地域を解消することを目的に2008年に発足した「船橋市地域公共交通活性化協議会」は、より生活しやすい環境を整備しようと協議を重ねています。具体的なお話を、副市長であり同協議会の会長である辻さんに伺いました。

船橋市地域公共交通活性化協議会の取り組み
・市内の交通不便地域を解消するため、船橋市地域公共交通計画素案を作成し、実行に移していく
・「交通マップ」を見直すなど、交通情報のわかりやすさ、さらに公共交通の利用を促進するべくアイデアを出し、実現へ向けて話し合う

交通不便地域解消のため発足

MF●発足の経緯を教えてください

辻さん●本市の公共交通は、鉄道が9路線35駅、バスが47路線145系統(令和元年7月現在)あり、公共交通が非常に発達していますが、一方で鉄道駅やバス停から離れた公共交通不便地域も多く点在しています。
 この公共交通不便地域の解消や公共交通の利用促進を推進するため、2008年に交通事業者、市民、行政の三者で話し合いを進める「船橋市地域公共交通活性化協議会」を組織しました。

不便だった市内3地区でバスの運行が実現

MF●これまでの成果は?

辻さん●2010年に策定した「船橋市地域公共交通総合連携計画」で、公共交通不便地域解消に向けての定時定路線型バスとデマンドタクシーの2つの提案とモビリティマネジメントの実施提案をしました。
 同年11月から、八木が谷、丸山、田喜野井の3地区でバスの実証実験が行われ、利用者も多く収支率も基準の50%を上回っていたので、現在も運行を続けています。

MF●それは皆さん便利になって喜んでらっしゃいますね!ところで、モビリティマネジメントとは?

辻さん●一人一人が社会にとって望ましい行動、例えば、過度に自家用車に依存せず、公共交通を利用するなどの行動を自発的に取るようなコミュニケ―ション施策のことです。「バスガイドマップ」を2012年度に35000部作成し、バスが近づくとバスの位置情報をバス停の電光掲示板に表示され、パソコンでも確認ができる「バスロケーションシステム」の導入費用の一部を補助しました。これは京成バスと新京成バスで導入されています。

実現に向け6年で計画中の「船橋市地域公共交通計画」

MF●取り組みにある船橋市地域公共交通計画とはどんなものですか?

辻さん●新昨年度から3カ年の計画で策定し、その後3カ年で実施に向け進めていくものです。現在、船橋の公共交通の課題について洗い出し、それをもとに今後の重点検討事項を定めている段階です。
 これからの船橋において公共交通が果たす役割について幅広く議論し、その中で、公共交通不便地域解消事業の在り方はもとより、交通マップの作成や情報のデータ化を通した交通情報のわかりやすさの追求や、高齢者の外出に貢献するような企画など、さまざまな素案を出し合って検討を進めていきたいと考えています。

MF●「交通マップ」とは? 

辻さん●転入者には「ガイドマップ船橋」が配布されていますが、一般市民や旅行者等に無料で配布できるマップがありませんでした。そこで現在、鉄道、バス、タクシーなどさまざまな交通モードを掲載した「公共交通マップ(案)」の制作を検討、公共交通の利用促進につなげていきたいと考えています。

コロナ禍で公共交通の安全性をアピール

MF●ウィズコロナが続く中、協議会としての課題は?辻さん

●一番の課題は、鉄道やバスの利用者数がコロナ前の水準に回復していないことです。協議会としては、まずは、市民の皆さんに公共交通はコロナ対策をしっかりしている安全な移動手段であるという情報発信を行い、その利用促進に努めていきます。

MF●今後のビジョンを教えてください

辻さん●交通は目的地へ行くための手段なので、まず目的地となるまちの姿を考えることがなにより重要で、常にそこを念頭に置きつつ議論を進めます。公共交通は利用者が減れば、路線の維持が難しくなる恐れもありますので、ぜひ市民の皆さまには公共交通を利用していただきたいと思っており、そのためにも、策定中の素案を絵にかいた餅にするのではなく、実効性のある魅力ある内容にしていきたいと考えています。

MF●ありがとうございました。

2020年の11月9日に行われた協議会は第48回目の開催でした

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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