2020年12月04日 配信
若手農家が立ち上げた就労継続支援 B 型事業所

  農福連携事業として就労継続支援B型事業所「とまと」(船橋市旭町2・6・19)を開設した。

 開設から半年が経ち、すでに竹之内さんは「次はグループホームも事業化する予定。馬込霊園近くに作業所を建設中なのでそこを直売所としても活用していこうと考えています。いずれは農家レストランや農園カフェなども開業したい」と夢を膨らませている。

農作業を細かく分解し作業しやすい部分を摘出

 竹之内さんが自身の農業を障がい者の受け入れ先として考え始めたのは、数年前、福祉事業所を通して障がい者の受け入れをしたことがきっかけだった。

 当時は思ったように作業を教えられず「どの工程の作業であればやりやすいだろう」と考えた。その後、作業工程を細かく分解し、障がいを持っている人にも作業をしやすい方法を確立。数年、福祉事業所を通して農作業を教えていくうちに、「自身で作業所を開設して、自分で仕事を教えてみたい」と考えるようになり、農作業をメインに行う農福連携の就労継続支援B型事業会社として、今年、共進株式会社を設立した。

農家としてのメリットも多い農福の連携

 同事業所で受け入れているのは知的・精神・身体障がい者。定員は20人。利用者は、通所で作業をする。

 農業には、単純だが丁寧さが要求される作業も多い。そうした作業は、障がいを持つ人たちにとっては得意分野であることも多いのだという。最近では大根の種植えなどを行った。収穫時期には自分たちで収穫した野菜を昼ごはんの弁当に出すようにもしているという。

 農家としては「安心安全でおいしいものを提供したい」という竹之内さん。21歳で実家に戻って就農した竹之内さんは、「今のままじゃ農業は稼げない大変なだけの仕事になってしまう。農業に対するそういうイメージを覆したい」と思うようになったという。

 障がい者の受け入れを始めたことで、農園での除草作業や収穫など、人手不足の解消にもつながったとも話す。室内作業では利用者(障がい者)は収穫した野菜の袋詰め、計量なども行っている。

 竹之内さんは「農家仲間も利用者さんたちの仕事ぶりにとても興味を持っていて、『今度うちの畑に連れて来て欲しい』などリクエストがあるくらい。こうしてお互いが地域と関われるのも利点」とも話す。「農家同士、障がい者同士とも協力し合って、よりよい環境を作っていきたい」と意欲を見せる。


農家としてはトマトの栽培がメインとなる竹之内農園。事業所名の「とまと」は、「大きな、真っ赤なトマトのように、豊かな実りの得られることを願って」つけられた


細かな作業をする利用者。竹之内さんは、トマトのB級品や規格外を利用したピザソースの製造、やバジル栽培をして焼き立てピザの提供などの計画も練っている

取材協力

共進株式会社/ 竹之内農園
竹之内幹也さん
TEL047-430-7557

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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