同施設が入る「ラプレ西船橋」。建物は3階建て、1部屋は約18平方メートルで全22部屋を用意する
医療は地域機関と連携して。市内初の取り組み
京成線・東中山駅から徒歩7分ほど、中山競馬場との中間地点に、がんや神経難病の人のためのサービス付き高齢者住宅「在宅ホスピス 西船橋」が「ラプレ西船橋」(船橋市西船7)内に10月1日、開所した。
同所を運営するのは、「看取り」に特化した法人「シーユーシー・ホスピス」(本社:東京都中央区)。同法人は関西、中部地方、関東近郊、北海道を合わせ、国内に在宅ホスピスの施設を15施設運営している。
同法人は訪問介護事業所、在宅ホスピスの運営、クラーク養成所の運営、看護コンサルティングなどを事業とし、同法人代表の吉田豊美さんは、「今回の施設は、船橋市では初めての取り組みをしている施設だと思いますよ」と話す。
「私たちは、自社だけで医療と介護スタッフを用意するのではなく、地域の医療機関やケアマネージャーさんたちと連携して運営していくスタイルなんです」とも続ける。
市内ネットワークを生かせるスタッフを配置
地域との関わりが重要となる同所の立ち上げには、市内に住み、介護福祉士として現場で働いてきた経験がある吉岡瑞穂さんのネットワークが生かされた。吉岡さんは以前、市内で医療者と介護施設で働く人のための多職種交流会「船橋医介塾」の塾長を務めていたこともある人物。「これまでの地域での横のつながりをフル活用させてもらっています」と吉岡さん。
医療、看護、介護が相互に連携を取りながら運営する同施設内には、連携している訪問介護・看護事業所のスタッフが常時滞在。入浴、排泄、食事などの介護をする。医療となる診療は、訪問診療という形で地域の医師が行う。必要時には担当医師に連絡し、指示を仰ぎ、訪問看護師が医療処置を行っていく。
外部スタッフ同士の刺激がいい効果を生み出す
「外部の人との連携は、時には意見がぶつかることもありますが、互いに理由があって意見しているもの。同じ会社の中でやっていることではないからこそ、お互いにほどよく律せられるし、無駄な医療の提供も減らせる」とも続けた。
同所管理者であり看護師の川島美千代さんは「医療処置の有無に関わらず、ご本人やご家族の意思を尊重し気持ちに寄り添う看護をしたい。訪問医師や訪問薬局、介護スタッフ、支援スタッフと連携し、最期までここでご自分らしくくつろいで暮らしていただきたい」と話す。
同所に入居できるのは末期ガン、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋委縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳変性症、ハンチントン症、進行性筋ジストロフィー症などを患う人が対象
在宅ホスピス 西船橋
ホスピス長 吉岡瑞穂さん
TEL0120-333-527
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