2020年07月01日 配信
新たな災害時の医療体制を構築
 
病院前救護所訓練の様子。救護所は基本的に病院の玄関前など屋外に設置。新型コロナウイルスなど感染症対策として3密は避け、マスクをする、手の消毒をするなどの対策も必要となる場合がある
 
新たな災害時の医療体制とは

 船橋市は2020年4月から、これまで小学校をメインとした避難所に設置される応急救護所で医療従事者が治療をする体制から、医療従事者を病院前救護所に集約しトリアージ(医師等による重症度の判別)する体制へと変更。市はその周知のため災害時の医療に関してまとめたリーフレットを作成し現在、全戸配布を進めている。

 災害時に避難所へ行っても、治療が必要なケガをしていれば病院へ行くことになり、そういった人が最初から病院でトリアージを受けることは、スムーズな医療体制の基礎になる。この体制は原則として発災から48時間の対応となる。阪神・淡路大震災や東日本大震災など過去の大規模災害時の事例で、軽症者が病院に殺到してしまい、優先的に治療が必要な重症者等への適切な治療が施せず、救えたはずの命を救えなかった「防ぎ得た災害死」を招いてしまったことがあったという。そのような経験から、トリアージにより重症度を判別、より緊急性の高い傷病者から治療を行っていくことで、救えるはずの命を救うこと、防ぎ得た災害死をなくすことにつなげたいという思いがあるという。

今、一番にすべきことは

 まずは自宅に一番近い避難所と病院前救護所を確認する必要がある。市のホームページで確認ができるが、特に病院前救護所は、リーフレットにも記載がある。

 病院前救護所は、市内9カ所の病院(セコメディック病院、船橋二和病院、千葉徳洲会病院、東船橋病院、北習志野花輪病院、船橋総合病院、船橋中央病院、青山病院、板倉病院)に設置される。

災害時における医療体制の確認

 

 船橋市保健所保健総務課総務企画係の山本亮平さんは「病院前救護所で使用る薬やテントやライトなどの備品を、病院で備蓄してもらいます」と話す。同課課長補佐の鈴木基弘さんは「ケガをしてしまうと、誰でも早く治療してもらいたい思いが生じるとは思いますが、非常時であるということで、優先して救える命を救うための体制としたことへの、ご理解とご協力をいただければと思っています」と市民への理解を求めた。

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【取材協力】


船橋市保健所
保健総務課 課長補佐 鈴木基弘さん
同総務企画係 山本亮平さん

 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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