この人に聞きました!
有限会社カネマン 代表取締役 石井 安子さん
船橋市場が現在の場所に開設する以前から、刺身のツマや寿司ガリなど「ツマもの」専門の商売を営み、市場開設に伴い青果仲卸業者となった「カネマン」。
代表の石井安子さんは、大学卒業後に就職し、その後カネマンに入社。そして父を亡くした2006(平成18)年から、3代目として後を継ぎ、姉の伊東美和子さんと二人三脚でここまできた。
「男気質の市場の中で、女だけでやっていけるのか周りからはさんざん心配されました。離れていった客や従業員もいましたし、試練もありましたが、なんとか負けまいという気持ちで乗り越えてきました。ここ数年は、女性ならではの細やかさ、気遣いを生かした経営を心掛ければいいのだ、という思いに至っています」と石井さん。
かつては船橋市や千葉県内の飲食業者を対象とした青果物の卸売業が主流だったが、商工会議所のビジネスマッチングで出会ったパクチー生産者、㈱ZUCIの桑垣真紀さんからの紹介で、タイ、ベトナム料理などの店との取引が増えたという。今後は、「食」を通して国際交流に力を注いでいくという目標を持つ。
昨年からは新たに介護施設の給食部門への青果物納品も始まった。新しい活路を模索していた折、偶然に店舗を訪ねてきたのが、市内介護施設の管理栄養士だったという。石井さんは「介護施設は病院同様、入所者様の症状により食事も異なります。従来の飲食店対応とは異なり、グラム単位の細かい注文にも丁寧に応えるなど、そこは女性経営の会社ならではの繊細さをいかした得意分野」と自負する。
青果仲卸業として、従来の仕事内容を踏襲しつつ、新たな分野を模索し、アンテナを磨いている日々だという。
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください