2020年03月31日 配信

 新型コロナウイルスに対して、世界各国でさまざまな見解があるなか、 「船橋在宅医療ひまわりネットワーク」代表であり、クリニックや老人福祉施設を運営する医療法人弘成会の代表医師・玉元弘次先生が、先生の知見と経験、現在までに得た独自の情報網などを判断材料として、玉元先生の考える新型コロナウイルスに対する考え方を、わかりやすく「船橋在宅医療ひまわりネットワーク」の関係者に向け、3月6日、非公開SNSグループで情報発信しました。その内容をMyFuna読者のみなさんにも共有してくださいました。

※コロナウイルスに関しては、さまざまな見解があり、ここにお伝えするのは玉元先生の個人的な見解となります

「症状の軽い陽性患者」を不用意に増やすと混乱を招く

 まず、致死率のデータについては、トリアージ(※1)をしっかり行い、必要な患者を治療すれば致死率は上がりません。日本の医師は、「検査が必要」と判断した患者に対してだけPCR検査(※2)をしています。これは、軽症患者の陽性を確認しても治療の必要性がないため。ほぼ自覚症状が無いような人も含め、全ての患者をPCR検査することで「症状の軽い陽性患者」を不用意に増やすと、混乱を招き、経済的なダメージが大きくなることを心配しています。

 軽症患者がほかに感染させる可能性はありますが、日本のやり方で急激な感染の広がりが起きていないのであれば、それが結果的に「正しいやり方の証明」になるのではないでしょうか。

持病がある人、重度の糖尿病や肺疾患、免疫抑制剤を使用している人などは外出を控えて

 中国でのデータからも、現時点では、軽症な方、特に子どもからの感染は少ないと考えても良いと思いますし、過度な心配はしなくても良いと思います。

 ただし、持病のある方、重度の糖尿病や肺疾患、免疫抑制剤を使用している方などは外出を控えてください。高齢者が集まるイベントも良くないです。

スプレッダー年代が働いている介護施設は、最もリスクのある場所

 北海道の雪まつり、大阪でのライブでの事例を見ても、私は「スプレッダー」すなわち感染源となる方は20〜50代と考えています。重症化は一部ですが、この年代には感染力があります。社会的な活動性が高いために、スプレッダーになってしまいます。もちろん全ての事例をこれで説明できませんが、概ねこのように考えてよいと思います。

 そうしたスプレッダー年代の方が働いている介護施設は、最もリスクのある場所とも言えます。そういった場所に関わる人は、倫理観を持って生活を送りましょう。発熱者は仕事をしてはいけません。アルコール、次亜塩素酸ナトリウムなどで感染防御を徹底しましょう。できればオゾン水(※3)を用いてください。

※1 トリアージ=患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うこと
※2 PCR検査=検出したい微生物が特有に持っている遺伝子をターゲットにして細菌やウイルスの検出を行うの方法の一つ
※3 オゾン水=酸素原子3つでできている気体「オゾン」を水に溶解させたもの。ウィルスや微生物などの細胞成分に作用して「不活性化力」を示すことで強力な殺菌・除菌効果を持つ。主に医療現場や飲食店の厨房などの消毒・殺菌に使用されている

取材協力


医療法人弘成会/船橋在宅医療 ひまわりネットワーク 代表 玉元弘次先生

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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