2020年02月28日 配信

高度で的確な技で千葉県の名工に全理連中央講師、副幹事長も

 船橋市藤原、北方十字路から木下方面に徒歩1分の場所にある理容店「ヘアームサシ」。同店の三代目店主にあたるのが武藏均さん。2018年末には、高度な理容技術が認められて県の名工に選ばれている。

 武藏さんは法典小、法田中学校卒業。小中学校時代は野球少年で、高校も野球の強豪校へ進学。大学に進学すると、将来は海外で仕事をしてみようという青写真を描いていた。そんなある日、武藏さんの机の上に、自身が小学6年生の時に書いた作文が置いてあった。内容は「理容師かプロ野球選手で日本一になる」という夢が書かれたもの。「母が置いたのだと思いましたが、母は、『私は置いてない』と言っていますがね」と武藏さんは笑う。理容師の父親の背中を見て育った武蔵さん。悩みに悩み、理容学校への願書締め切り前日に決心し、理容の世界に飛び込んだという。

 理容学校卒業後は、日本チャンピオンでもある師匠の理容店で修業した。理容の世界では5〜7年の修業後に、独立または家業を継いだりすることが多いという。しかし武藏さんは、二代目である父親が病気で倒れ、修業半ばの2年9カ月で、急遽、家業を継ぐことになった。しかし、現実には技術的に身についていないことが多く、常連さんからは「まだまだだな」と言われる日々を過ごしていたという。

 そこで顧客に満足してもらうためには、理容技術の上達しかないと、地元の高校生に男女問わずカットモデルになってもらい、毎晩練習を重ねたという。

 そんななか、身につけた技術のひとつが「スライドカット」だ。毛質の特性利用して、切る長さを微妙に調整し、狙った方向に髪を流し変幻自在に髪の毛を操る。そんな高度な技術でカットした髪型は、「洗髪しても、手ぐしでサッとセットできますよ」と武藏さん。評判は広がり、理容店では珍しく、来店客の3割強が女性客だという。

 現在は講師として全国の理容師に、武藏さんの持つ豊富な経験と高度な技術を伝承している。「髪のメンテナンスはおまかせを。どんな髪型もご要望にもお応えいたしますよ」と名工は微笑む。


夫婦二人三脚で店を切り盛りする。遠方から通い続ける顧客も多いという

プロフィール
1961年船橋市生まれ
1973年理容師学校卒業
1993年理容競技千葉県代表に選ばれ全国大会へ
1996年理容競技全国大会3位
2018年千葉県の名工として表彰される

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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