ども、演出です。
韓国公演を二週間後に控え、夜寝ていて、うなされた後、寝汗をビッショリかいて目が覚める日々を繰り返しております。
食欲はあるので夏バテせずに済んでおりますが、精神的にかなり「キて」いるようです。
毎回、芝居の出来にこだわってストレスになるのですが、今回は特にヒドいようです。
理由としては、
第一に「言語の問題がある」こと。
日本語が分からないお客様にも楽しんでもらう為には感情を100%溜める必要があります。
ちょっとでも引いたり、不安に思ったり、無難に演技したりしたら、何も伝わりません。
いえ、むしろ、
手を抜いている
と伝わってしまうかもしれません。
嫌じゃ・・・。
これは嫌じゃ・・・。
これだけは嫌じゃぁ!
どんなにミスっても、どんなに下手くそでも、「真剣に一生懸命」。
これだけは守らなければならない最低限のマナーです。
っていうか、
今までの十夢は、これだけはやって来たから、どんなにミスっても許されてきたという話もあるが・・・(-.-;)
じゃあ「気持ちを引かない為にはどうすりゃいいんだよ」と、問う方もいるでしょう。
答えは簡単。
台詞を覚えりゃいーんです。
この回答を読んで、向上心のある人なら、更にこう質問するでしょう。
「じゃあ、台詞を覚えているとは、どういう状態なんだ?」
と。
お答えしましょう。
少し長いですけどね。
数字は、やらなければならない順番です。
(1)台本を最初から最後まで何度も通して読んで、物語を把握する。
(2)自分が登場しているシーンが物語上どういう役割を担っているか理解する。
(3)自分の台詞を覚える。
(4)声に出して読んで、台詞を口に馴染ませる。
(5)自分の台詞の前後の台詞を覚える。
(6)相手の台詞を音、リズムで覚える。
この状態が「台詞を覚えた」と言える状態です。
本来なら、この状態になっていないのに演出なんかしたくないのです。
だって翌週には出来なくなってるんだもん。
時には、何度も同じ事言ってるのに、まるで初めて聞いたかのようなリアクションを取る役者までいます。
月光メンバーは今からでも遅くありません。
(1)からやり直したら、間違いなく「上手く」なりますよ。
オイラが精神的にキている理由、第二。
有料公演であること。
正直、今の出来だと、十夢の公演なら間違いなく無料公演レベルです。
最低限、伝わる芝居は出来ると思いますが、面白い芝居がお見せできるかというと・・・現時点では自信を持って首を縦には振れません。
残り二週間で役者がどれだけ台詞を入れて来るか、にかかっています。
もし、三人がパーフェクトに台詞を覚えてきたら、これはもう、とんでもない芝居になります。
3日は放心状態が続き、1週間は気持ちを引きずる、トラウマになりかねない公演になります。
五年後、十年後、芝居のラストでかかっていた曲を聞いた瞬間に思い出し泣きしてしまうくらいの公演になります。
そのくらいのポテンシャルは絶対にあります。
役者が台詞を覚えているにも関わらず、そのくらいの公演がうてないなら、それは演出の責任です。
混じりっ気無しで演出の責任です。
有料公演には有料公演のレベルがあります。
そのレベルに届いていないので、ストレスなのです。
そして、第三の理由。
韓国公演は一回ではない、ということです。
六日間、計七回公演です。
オイラは連日公演を経験したことがありません。
多くても1日二回。
明日も本番。
明後日も本番。
明明後日も本番。
考えただけで気ィ失いそうです。
役者なら、結構開き直れるんですけどね。
演出は本番になったら見ている事しか出来ません。
二時間祈りっぱなしです。
ミスらないよう。
ミスってもフォロー出来るよう祈るだけです。
神経磨り減らしながら祈るだけです。
これが辛い。
これが七回も続くかと思うとストレスになります。
あうぅ・・・なのです。
しかし、
こんな情緒不安定になりながらも芝居を続けているのは「何故か?」、を再認識させてくれることがありました。
それは、このブログをご覧になった方からの嬉しいコメントです。
長い文章ではありませんが、オイラはとっても嬉しかったのです。
コメントにはこう書かれていました。
「躁鬱状態でしたが、元気になりました。
有難うございました。」
元気になりました。
元気になりました。
元気になりました。
元気になりました!
エンタメを提供する者にとって、これ以上の嬉しいコメントがありますか?
元気になってもらうことが出来たんです。
この言葉が欲しくて芝居を続けています。
アントニオ猪木は良いこと言いました。
元気があれば何でも出来る。
そのきっかけが自分達の創った芝居なら、もう最高じゃないですか!
最高でしょ?
最高ですよ!
ブログでは何度か頂いてる言葉です。
オイラが自分のセンスに自信を持っているのは、この「最高の言葉を何度か頂いてるという事実」があるからです。
勿論、時には批判もありますけどね。
(でも批判を隠したりはしてませんよ?頂いたコメントは全部掲載しています。)
「元気になりました。」
その言葉に元気になるオイラ。
(補足する必要は無いかもしれませんが、元気っていうのは笑顔ってわけじゃありませんよ?笑顔含め、感情が動く、ということです。)
上手い芝居を見せたいわけではありません。
芝居を見に来たお客様を元気にする。
十夢がしなければならない芝居は、そういう芝居なのです。