↑戦前の売り出し風景
創業明治20年
歴史が肉の旨味を凝縮させた
創業の味『作重郎の壷焼き』
明治20年、船橋大神宮から程近い宮本坂の上で鈴木豚肉店が産声を上げた。農家の後取り息子だった鈴木作重郎氏は時代を先読みし、精肉業に進出したのだ。作重郎氏が考案した『壷焼き』は、戦争で訪れた満州で焼き豚の製法を学び、厳選した九州産の豚肉を秘伝のタレにじっくりと漬け込み、壷の中で備長炭を用いて半日ほどつるし焼きにする。熟練の職人がすべての工程を手作業で一つ一つ丁寧に行う為、一日に焼ける数には限りがある。
防腐剤、膨張剤などの添加物は一切使用せず、豚肉本来の旨味を凝縮させた『作重郎の壷焼き』は肉のスズキ本店の看板メニューだ。
『作重郎の壷焼き』と並んで同店にはもうひとつ名物がある。「営業を置かない」という二代目当主鈴木明氏の独特の教えだ。長く千葉県食品衛生協会会長を努めた明氏は「人のものを取るような商売をしてはならない」と決して営業部門を置こうとしなかった。「頼まれたらすぐに配送する」「少しでも良い品を納品する」「メーカー・問屋さんを大切にする」と人とのつながりを創業以来120年以上の間大切にし続けてきたのだ。
創業者の娘大塚とし子さん
明治45年生まれ、現在100歳
長寿の秘訣は『豚肉』!?
豚肉は、アミノ酸組成率100%と非常に健康によい食材だ。初代の作重郎氏は80代半ばまで、二代目の明氏は86歳まで、創業者の娘とし子さんは今年100歳を迎えた。鈴木家が皆長寿な事と、沖縄県がラフテー(沖縄風豚の角煮)のような豚肉を毎日のように食べ長寿日本一だったことからも豚肉は健康に良いのだろう。
株式会社肉のスズキ本店
住所/船橋市東船橋1-2-2
電話/047-424-2344
営業時間/8:00~18:00
定休日/日曜日
HP/http://www.tsuboyaki.jp/shop/
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください