ども、演出です。
ここ1年で、「オイラ変わったなぁ・・・」とつくづく思います。
何ていうか、余裕が出来た感じです。
今までのオイラを見てきた団員からすると、「甘くなった」と感じるかもしれませんね。
でも、それはオイラが甘くなったんじゃありません。
「芝居の出来」に、そこまでこだわらなくても良くなったからです。
あ、でも勘違いしないで下さいね?
適当に作っているわけではありません。
そんなこと、どんなことがあってもしません。
っていうか、手抜きなんて出来る性分じゃありません。
望みは高く、目指し続けます。
だからこそ「台詞は確実に!」とは言い続けています。
ただ、
皆が台詞を覚えはじめると、
「オイラ、結構寛大になるんだな」
って思いました。
心に余裕が出来るんですよね。
今までの十夢の公演では、本番直前になっても台詞が不安な人が2〜3人いました。
(ま、現在でも現時点で不安な人がいますが、本番までにはなんとかしてくれるでしょう)
オイラの考えは「台詞覚えてないなら舞台に立つなよ」です。
セリフが不安なので余計な間を取ったり、誤魔化すように毎回違う言い回しをしたり、そんな芝居をオイラは良しとしません。
んで、
そういう芝居をする役者に限って、「これでOK」とか自分に甘いのです。
お客様には何一つ伝わっていないのに。
と、なるとオイラは余裕が無くなります。
本番近いのに台詞を覚えていない役者にどうやったら覚えさせられるのか。
OKと思っている役者にどうやったら出来ていないことを認識させられるか。
前にも書きましたか、演出の仕事は「本番までに芝居を完成させること」ですからね。
で、
もう1つ、オイラが余裕が出来た理由が、この「自分でOK」と思う役者が今の十夢にはいない、ということです。
もっと!もっと!と上を目指す人の多いこと。
個人練習の日もたくさん増えました。
2013年3月前には考えられないことです。
「まだ自分は出来ていない!」「まだやれる、もっとやれる!」
そう考えて、行動する新人のなんと多いことか。
以前の記事で、オイラの時間全部あげます、と書きましたが本当にそんな感じになってきました(笑)
でもね、やっぱり、それが嬉しいんです。
だってね、
十夢は素人劇団なんです。
各自学校や仕事があって、勿論、プライベートな時間も大切で、それでも劇団の時間を取ろうとしてくれてるんです。
誰に強制されたわけでもなく、自らの意思で。
当然、成長が早い早い。
本当に今回の芝居終わったらオイラが教えてあげられる事なんか無くなりそうです。
今週の練習は、2幕を通しました。
今まで部分稽古をしてきて、点だった芝居を線にするのです。
当たり前ですが、部分稽古の時に出来ていたことが出来なくなります。
部分稽古は、そのシーンを成立させる為に何度も繰り返します。
「出来ていない状態」を「成立する状態」まで何度もやりますから、最終的には絶対に「出来る状態」になるんです。
ポイントは、「何度も繰り返してやる」ということ。
通した場合、無条件で話が進んでいくんですから、出来なかったからといってやり直すことが出来ません。
だから、オイラは日々の練習で何度もいってるんです。
「次の練習の時には1発目から出来るようにしておいてね」と。
そして、次の練習、出来る人と出来ない人が居ます。
この違いは何でしょうか?
-答え-
出来る人は、その場でやらなければならない「テンション」を体に刻み込んでいる。
ここでいうテンションは通常使うテンションの他に、感情の流れも加わります。
出来る人はテンションの上げ方が早い。
そして、事前に家で考えてきてるんですね。
「今日のあのテンションでセリフを言うには、その前のセリフで、ある程度上げていないと追いつかない」とか。
「あのテンションでセリフを言った時、胸が苦しくなった。正しいテンションでセリフを言うと、あのシーンは胸が苦しくなるんだ。後、鼻水も出たな」とか。
セリフの内情の解釈だけでなく、感情が高ぶった時の生理現象も分析できると尚、進みは早いですね。
ただ、今日初めて通すんですから、感情の流れを把握できなかったり、テンションが追いつかないのは仕方がありません。
緊張もしていたでしょうし。
なので、今日の目標はあくまで「通すこと」でした。
ミスしたって構いません。
セリフが飛ぶこともあるでしょう。
でも、皆でフォローしあって最後まで通すことが出来れば、それで良いと思っていました。
で、実際最後まで通せたのですから、オイラはOK!OK!だったのですが、数名、それでは「良し」と出来ない人がいました。
今までの十夢はセリフを覚えてないくせに、通せただけで「良かった!良かった!」と喜んでいましたが、今のメンバーは一つ二つのミスが許せないようです。
だもんで、今までのオイラからは想像もつかないような発言が飛び出すのです。
「大丈夫、良かったよ。初っ端の通しでここまでやれれば充分でしょ。」
いえ、本心なんですけどね。
別にフォローでも何でもありません。
だってね、
これを責めるのは、
説明書熟読したからって
初めてプレイする
アクションゲームを
クリアしろって
言ってるようなもんです。
どこにどんな罠が仕掛けられているか分からないのに、それは無理です。
1面、1面、少しずつ進み、経験を蓄積してクリアを目指すんです。
そして1度クリアしたら、1面からラストステージまで一気に進める事も出来るようになるはずです。
・・・あれ?この例えで合ってるかな?
まぁいいや。
とにかく、自信を無くすことなんてこれっぽっちも無い。
むしろ、演出が掲げた目標をクリアしたんです。
自信を持つべきです。
で、
部分稽古では出来ていたのに通しで出来なかった箇所をチェックしましょう。
それを一つ一つ潰していくんです。
課題が見つかるのは「前進」です。
今、
演出がいい事言った。
課題が見つかるのは、
前進なんです。
っていうか、そもそも新人離れした芝居をしておいて、1発目の通しでミスしたのが悔しいって・・・んじゃ、オイラどんだけ才能ないのよ。
通しをビデオカメラに撮り、確認しましたが、オイラ、演技下手くそだな・・・。
演出することがたくさんある・・・いや、ありすぎる。
神経質なセリフのしゃべり方は高校の頃から全然変わってない。
オイラ!もっと落ち着いてしゃべれ!!
ただね〜。
正直、気持ちは分かります。
オイラも同じです。
ミスや、やれていた事が通しで出来ないのは落ち込みます。
でもね、落ち込むのはその日だけにして下さい。
持たなければならない感情は「悔しさ」です。
自信を無くすべきじゃない。
演出のオイラが「良い」と言ったんだから、「良し」としないと。
演出のオイラの言葉が信じられないのか?ということになる。
俺様が良い、と言ったら良いんです。
オイラは出来ていないものを出来ているなんて絶対に言わない。
そういうフォローは絶対にしない。
出来ていないものは出来ていないし、駄目なものは努力したって駄目って言う。
そんなオイラが、良いっていったんだから、良しとする。
で、出来なかったことを出来るように頑張る。
悔しいから、出来るように頑張る。
1を2にする為に。
もう一度言う。
上を目指しているのなら、
出来るようになりたいなら、
その為に努力を惜しまないなら、
オイラの時間、全部あげます。