2016年04月25日 配信

4/25(月)船橋在住の看護師・上吉原さんが熊本県から帰宅

現地の状況は?報道では伝わってこない現場の状況

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 船橋市内在住の看護師・上吉原良実さんが被災地熊本から4月23日深夜、船橋に帰宅、被災地の様子について話を聞いた。

 上吉原さんが震源地益城町の隣、上益城郡御船町に入ったのは震災直後の17日の夜。被災地の最前線で活動したいと希望し、看護師仲間のつてを辿ってTMATの一員として熊本入りした。

 上吉原さんは小児救急看護認定看護師資格を所持し、小児二次救命処置講習のインストラクターとしても活躍している為、高度な医療知識と豊富な経験をもっている。その為、「赤ちゃんやそのお母さん、子ども達へのケアも含めた活動をしたい」と、希望してチーム入りを志願し、すぐに派遣が決まったという。

 町内の至る所に倒壊家屋があり、震度4前後の大きな地震が頻繁に起きる現場。直下型の地震が、昼夜関係なく起きたという。

 4月14日.16日の大きな地震が夜間に起こった為、夜間に不安を訴える住民が多く、夜間は避難所や避難所の駐車場の車中で過ごす人が増えるという。上吉原さんが所属した医療チームは夜間にも避難所の巡回を行った。「実際に夜間、避難所や駐車場に行かないとわからない部分がたくさんある。他の医療チームでは夜間の活動を行っていない場合が多く、サポートできない部分が多い」と、上吉原さんはこれまでにも国内で様々な被災地に派遣された経験に照らして話す。

 御船町は地震で町内の病院が診療機能を失っており、上吉原さんの所属する医療チームが町役場に隣接する保健センターに、仮設診療所を設置して診療機能を担っていた。そこを拠点に市内に点在する避難所の巡回診療を行っていた。巡回には保健センターの保健師も同行し、情報共有に努めた。

 現地では早朝6時頃から避難所の巡回診療を行った。御船町では町役場に隣接する、カルチャーセンター、スポーツセンター、小学校、中学校を始めとして、町内の学校や公民館などが避難所として開放されており1万7000人余りの町民が各所に避難し、身を寄せ合っていたという。

 避難所では、電気は通常通りに使えるため、携帯電話各社が災害用の充電器を持ち込み通信手段の確保がなされていた。しかし、17日時点では水道は不通。水洗トイレや手洗い場などは使用できない上、炊き出しや水分確保などに必要な水はペットボトルから使用していたという。

 被災地入りした直後、避難所は早い者勝ちの状態で災害弱者などの要配慮者に目を向ける余裕はなく、誰もが自分のことで精いっぱいな様子だったという。巡回診療で訪れた体育館の真ん中に新生児を抱えた若い母親を見つけ、話を聞くと「震災から5日間、新生児を風呂に入れることができていない」状態だったという。

 新生児の生活環境を改善するため、体育館入口にある個室を乳児専用部屋として使用できるように、避難所責任者に進言した。「震災直後に避難されて、個室に避難場所を確保した方々は、当初難色を示されていましたが、赤ちゃんの命を守ることを考え納得して移動してくれました」と上吉原さん。

 避難所の仕分けと並行して、益城町に隣接している熊本市南区、南阿蘇村にも巡回診療を行った。南阿蘇市の避難所ではノロウイルスの発生が疑われる小児の診察要請があり、小児科医師とともに対応したのだという。

 上吉原さんによると、御船町の避難所には水、紙おむつ(大人子どもともに)、おしりふき、食料(パン中心)は潤沢にあったという。野菜も19日頃には到着した様子だったがペーパータオルやハンドソープ、哺乳瓶、消毒液、哺乳瓶消毒用のボトル、新生児や乳児用の肌着、沐浴用のベビーバス、離乳食、乳児用飲料または胃腸炎や発熱時の水分摂取に必要な経口補水液などの衛生用品が圧倒的に不足していたという。「必要な物資は、その時の状況で変化し、在庫状況も刻一刻と変化していました」と振り返る。

 「突然下から突き上げられるような直下型地震の揺れは体験しないとわからないかも知れない。被災地では仮眠の時間も頂けたが熟睡することはできなかった。現地で自ら被災しながらも支援する側にまわっている、医療、福祉関係者や役場職員の疲労はピークを超えていて、彼らのサポートとケアが急務」とも。

 「被災された方々が困難な事態に立ち向かおうとしている姿や力強く生きている赤ちゃんや子ども達、ご両親が懸命にお子さんを守ろうとしている姿を目の当たりにして、私達医療チームも大きな力をもらったし、なんとか力になりたいとおもった。今後も継続した支援が必要であり、やらなければならないことがたくさんあると感じた。また、医療チームと行政や他職種との連携が非常に重要」と、一連の被災地訪問を振り返る。

 

 上吉原さんは、現在市川市内の病院に勤務。現地の医療チームへは自費で参加し、勤務先には事情を話ししたうえで仕事は欠勤した。戻った翌日には夜勤で当直し、さらに翌朝には市内の空手大会に医療本部ボランティアとして参加していた。

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