1/7(土)9年ぶり5回目の選手権制覇に向けてあと一つ-準決勝 大分を2-1で下す
選手層の厚さで大分高校(大分)に快勝
決勝戦は6-1で尚志(福島)を下した四中工(三重)
↑公式戦初のフリーキックで先制点を挙げた DF渡辺健斗(2年)「決める自信はあった」 |
第90回全国高校サッカー選手権の準決勝が国立競技場(東京都新宿)で行われ、市立船橋高校(船橋市市場4-5-1)が大分県代表大分高校を2-1で破り決勝戦進出を決めた。同校の選手権決勝戦進出は04年大会以来7年ぶり、優勝すればカレン・ロバート(VVVフェンロー)を擁して臨んだ02年大会以来、9年ぶりの快挙となる。
前半24分、DF渡辺健斗(2年)がゴール正面約25メートルのフリーキックで先制。後半11分には、DF池辺征史(3年)が左サイドから巧みなドリブルで抜け出し5人をひきつけパスを出すと、ゴール前でFW和泉竜司(3年)が大分DF馬場勇之介(3年)をかわして鋭いシュートをゴール左隅に決め、追加点をあげた。
後半36分、大分・DF清家俊(3年)がヘディングで1点を返すと、勢いに乗った大分が最後の力を振り絞った猛攻を見せるも、市立船橋の堅守に阻まれ追加点をあげることはできなかった。
この日、大分・朴英雄監督は市立船橋高に対しとった戦略を「いいパンチを出せないようにする」という表現で説明した。朴監督のシナリオどおりに試合は展開し、市立船橋は前半の約20分間、大分を攻めあぐねた。「どんなに戦略を練っても点を取れなければ意味はない。ただ、ディフェンスで強豪の市船を苦しめる事ができたのは大きな収穫」と語った。
大分高校は初1回戦で北陸高校(福井)を10-0で圧勝している攻撃力のあるチーム。得意のロングボールからの強烈な圧力を想定し、主力の杉山丈一郎(3年)や菅野将輝(3年)らは前半の守備負担を減らすため温存、ディフェンシブな先発メンバーで臨んだ。「逆に向こうが構えてくれたのかな。圧力が想定していた半分くらいだった」と朝岡監督は実感を語った。「いい時間帯に得点できたので杉山、菅野が控えている状態がいつでも点を取りにいけるというアドバンテージになった」とも。
この日、フリーキックから先制ゴールを決めた渡辺は、5日の矢板中央戦のあと記者のインタビューに「準決勝ではゴールを決めたい」と意気込みを語っていた。和泉が倒されフリーキックを得た場面、和泉から「蹴ってくれ」と、フリーキックを託された。いつもセットプレーでキッカーを務めるFW菅野将輝(3年)が先発を外れていたため渡辺にチャンスが巡ってきたのだ。「大会前に行っていたフリーキックの練習を覚えてくれていたのだろう」と渡辺。大役を任されたが緊張よりも「きたっ」という気持ちのほうが強かったという。「自信はあった」というフリーキックは、練習のときそのままのコースでゴールに吸い込まれた。
「自分の持ち味はオーバーラップやドリブル。次は、特技を活かして点を取りたい」と決勝にかける意気込みを語った。
決勝戦は9日、14時5分から国立競技場で行われる。
「『優勝して朝岡さんを泣かそう』ってみんなで話しているんです」市立船橋の主力選手、岩瀬諒(3年)は試合後に語ってくれた。県大会優勝を決めた流経戦でも目に涙をためていた朝岡監督。「すごい涙もろいんです」と岩瀬は語る。朝岡監督は73回大会に同校が初優勝した時のメンバー。常日頃から市船の「伝統」というものについて語り聞かせることも多いという。同校の伝統を肌で実感し、築き上げてきた朝岡監督を「国立に戻そう」と団結してここまで勝ち進んできた。あと一つで頂点にたどり着く。
↑先制点を挙げたゴール正面25メートルの フリーキック。DF渡辺健斗(2年)は、 公式戦でもフリーキックは初めて |
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↑あわやという攻撃にもGK積田景介の 好セーブで救われた |
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↑写真はゴール前で4人を翻弄する池辺選手 | |
↑後半11分 MF池辺がドリブルでチャンスを 演出した。5人をひき付けパスをだした |
↑FW和泉竜司(3年)がゴール左隅に貴重な |
↑後半36分、大分・DF清家俊(3年)がヘディ ングで1点をかえす |
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↑大分が最後の力を振り絞った怒涛の攻撃 を繰り出す |
↑後半40分 手堅い守備で勝利を目指す ボールキープからコーナーキックを狙う |
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