2019年07月25日 配信

講演する「つばさ在宅クリニック西船橋」院長の神田敏博さん

7/24(水)船橋市中央保健センターで「看取りについて」シンポジウム

市内における在宅看取りの現状についての基調講演

 船橋地域福祉・介護・医療推進機構取材のシンポジウム「看取りについて」が7月20日、船橋市中央保健センター(船橋市北本町2-26-55)で行われた。

 主催者代表理事の菅谷和夫さん、来賓の船橋市健康福祉局長の伊藤誠二さん、医師会会長の寺田俊昌さんがそれぞれがあいさつをしたあと、シンポジウムが始まった。

 基調講演として「在宅における看取りの実際」と題した講演を行ったのが、「つばさ在宅クリニック西船橋」(船橋市西船4-14-12)の院長神田敏博さん。

 プロジェクターを使いながら、同クリニックが大事にしている「安心感を感じてもらう医療・患者と家族の思いに寄り添う医療」「住み慣れた我が家で自分らしく生き、逝ける場を作ること」「多職種連携チームでその場を作ること」について話があり、船橋市の在宅看取りの現状について説明があった。

 平均寿命と健康寿命について、厚生労働省「2016年簡易生命表」と「2016年国民生活基礎調査」を使い、厚生労働科健康研究「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」による計算法で算出すると、その差は、女性は13年間、男性は9年間あるという。それらの期間を「人生ラスト10年問題」であると説明。「その10年間をどのように過ごすかが大事になる」と話があった。

 「万が一、治る見込みがない病気になった場合、最期をどこで迎えたいか」の質問には、2012年「高齢者の健康に関する意識調査」によると、自宅でを希望する人が54.6%(男性62.4%・女性48.2%)。同クリニックでの在宅看取り数も年々増加しているという。船橋市の在宅看取り率も年々増え、人口20万人以上の中核都市では全国7位となる。

 死については、「人間の死は特別なものではなく、かつ恐れるものでもない、必ず訪れるものである。人間にとって自然な経過であり、人生の執着点。一方看取りとは、どのように死を迎えたいのか、その人の意志を尊重して安らかな生の終焉を支えるもの」と説明があった。

 病や老いなどにより、人が人生を終える時期に必要とされるケアを「エンド・オブ・ケア」と言い、その3本柱は「身体的、精神的苦痛の緩和」「本人、家族を支える多職種連携」「本人、家族の病状の理解、療養場所の選択」があり、そこから「自分らしく最期まで生きる」ことが大事になるという。

 在宅での看取りに際しては、在宅での症状のコントロールに関する医療器具の進歩や、本人や家族を支える多職種の連携があること、患者・家族間で病状理解や療養場所の選択に関する知識の共有が図られている現状が話された。そして、終末期の療養場所の選択については、「病院と在宅のメリットとデメリットがそれぞれある」という説明もあり、そのあとには、実際の症例報告や人生最終場面の数々がプロジェクターで流された。

 シンポジウムで登壇したのは、土居内科医院副医院長の土居良康さんがコーディネーターとして、シンポジストに神田さんと訪問看護師でセコム船橋訪問看護ステーション所長の武井和泉さん。神田さんは、在宅看取りに関する相談者には、最初に1時間から1時間30分かけて話を聞くことを大切にしているという。

 市内在住の堀裕子さんは、自身もヘルパーとして働いているが、両親の看取りに関しても関心があり今回参加したという。「勉強になった。仕事の知識としても視野が広がった」と話し、会場を後にした。

  • 座長を務める土居内科医院副医院長の土居良康さん

  • 基調講演の様子

  • シンポジウムの様子

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