2016年05月01日 配信

教育に関する法制度の変更で最後の教育委員長となる鎌田氏。教育委員長とはどのような役回りの仕事なのだろうか?
現在の制度下における教育委員長の仕事と、新制度下ではどのように 仕事内容や役割が変わるのか、鎌田氏の経験を踏まえ話をうかがった。

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教育委員長とはどのようなお仕事ですか?

2015年の「地方教育行政組織運営法」が施行するまでは民間や有識者、PTAなどから選出された5人ほどの教育委員が決議した内容を取りまとめ、教育委員会を統括するのが主な仕事でした。
船橋市では任期の関係で今年の10月から「教育委員長」を廃止し、「教育長」がその権限を兼務することになります。代わりに教育委員と市長が参加する「総合教育会議」が設置され、教育単体ではなく都市計画や福祉など市政とも連携していくようになります。

教育長を兼任することで どんなメリットがありますか?

権限を集中させることでスピード判断が必要な案件を、市長と教育長の二人三脚で即時対応できるようになります。
例えば、インフルエンザや海外からの伝染病、食中毒などのように急を要する場合には最適です。教育委員は、教育長のチェック機能として継続的に働きます。
学校教育は今後「チーム学校」のように学校を拠点に地域の人材を巻き込んで行っていく必要があります。子どもの多様化、子どもを取り巻く環境の多様化…経済や家庭環境については地域との関連性を持たせながら行っていく必要があると感じます。

「まちづくり」は鎌田先生の専門の分野ですね

若いころは田舎が好きで全国各地の田園風景を見て回りました。そうした経験に照らし合わせて見ても船橋市はおもしろい街ですね。団地や農村、南には漁村もあり市街地もある。人口の集中し続ける都市部と、一部には過疎地域もある。
農業や漁業の生産者が頑張っているのも印象的ですね。横浜と比較しても、都心からの距離もそう変わらないのに地価は安いなど将来性のあるまちだけに今後の方向性が重要です。

大学教授として 地域とのかかわりは?

船橋市内では、障がいを持った人たちが働くNPOの理事をやらせていただいています。また、船橋ではないのですが、習志野市の袖ヶ浦団地を大学の学生寮として借り上げ、若い人たちを団地に住まわせる方向で団地の再生を行っています。
全国的には限界集落の再生や団地の再構成なども手掛けています。移転となると住居だけではなくコミュニティごと移動させなければ意味がないのですが、その為には介護支援や貧困対策、在宅医療などの問題もセットになってきます。様々な事が密接にかかわってくるので幅広い横の連携が必要です。

201605_kamata_pf.jpg 鎌田 元弘(かまた もとひろ)氏

プロフィール

群馬県伊勢崎市出身  
昭和31年4月生まれ  
昭和50年3月 前橋高校卒業
昭和55年3月 千葉工業大学卒業
昭和57年3月 筑波大学大学院修了
平成2年4月 千葉工業大学工学部 建築学科助手
平成8年9月 イギリスバーミンガム 大学客員研究員
平成16年4月 千葉工業大学 工学部教授
平成20年4月 同大学 評議員
平成24年7月 同大学 副学長
平成25年10月 船橋市教育委員
平成27年10月より現職  

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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