2015年08月01日 配信

「硬さのモノサシ」を作る世界唯一の専門メーカー

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「物の硬さ」をはかる道具「硬さ基準片」の開発と生産を行う山本科学工具研究社。
物の硬さは、重さや長さをはかるのとは違い、「硬さ試験」により値を決めるという。別名「硬さのモノサシ」とも呼ばれている「硬さ基準片」は、同社が特別に注文している高純度の鋼を円形状に成形し、均一な熱処理を施し製造している。正確に硬さをはかれることから、世界中のさまざまな工業の現場で使用されており、日本国内では約95%のシェアを占めている。
同社は、昭和14年、創業者の山本正一氏が国からの要請で、「硬さ基準片」を初めて国産化させたことから始まる。物理学と金属工学の世界的権威者である本多光太郎博士の元で学んだという正一氏。ソケット電球の金型熱処理の指導や、自動車会社の熱処理工場長として勤務し、その後「硬さ基準片」の研究開発に成功した。昭和27年、硬さ基準片のみを追求したいという思いから、のちに2代目社長となる息子の普さんと共に山本科学工具研究社を創立。通産省の助成を受け、船橋駅前北口に研究工場を開設した。その後、昭和38年に現在の栄町に移転し、今年で創業63年目を迎える。
現在は3代目となる卓さんが社長を務めている。平成18年には、世界で初めて「ナノ」レベルの超微小な「硬さ基準片」の製品化と、新しい硬さ試験方法である等価くぼみ深さ試験の開発により、今年4月に文部科学大臣科学技術賞を受賞した。
現在卓さんは「さらに細かい『マイクロ』『ミクロ』で使用できる硬さ基準片を開発中」と話す。「誰かの役に立つと信じて取り組んでいると、仕事の面白みに出会えるのだと思います。これからもどんどん面白い研究を従業員の皆さんと一緒にやっていきたい」と笑顔で話した。

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株式会社 山本科学工具研究社

住所 船橋市栄町2-15-4
従業員 22人
電話番号 047-431-7451

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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