この時期から始める、新しい花粉症の治療法免疫力を高め、症状の軽減に
船橋ゆーかりクリニック
院長 寺田伸一
粉症とは植物の「花粉」が原因(アレルゲン)となって起こるアレルギーの総称です。空気中に飛散している花粉が鼻や目などの粘膜に付着し、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状がおこります。日本においてはスギ花粉が抗原となる場合が多く、日本人の4人に1人が花粉症ともいわれています。今注目の治療法についてお話を伺いました。
Q・花粉症の対処や治療はどんなものがある?
A ・ マスクの使用や手洗いなどによる「スギ花粉(アレルゲン)の除去・回避」、症状を抑えるアレルギー治療薬を使う「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法」、「手術療法」があります。最近注目されているのが「アレルゲン免疫療法」で、アレルゲンを少量から体内に入れることで体をアレルゲンにならし、アレルギー症状を和らげる治療法です。予防接種同様アレルゲンを注射で体内に入れる「皮下免疫療法」と口から体内に入れる「舌下免疫療法」があります。
Q・「舌下免疫療法」とは何ですか?
A ・ 舌下とは舌の裏のことで、シダトレンという名前のスギ花粉エキスを舌下に投与することで、抗体を作る免疫療法です。まず、舌下にアレルギーの原因となるアレルゲンを低濃度から投与し始め、それを徐々に増量、維持濃度まで増やします。毎日投与することでアレルゲンに対する過敏性を減少させます。1回目の舌下投与は医療機関で行いますが、2回目からは毎日自宅で行います。
Q・治療に適した時期はあるの?
A ・ スギ花粉の飛散が始まる3カ月以上前から始めるのが効果的です。船橋周辺では11月までには始めることをお勧めしています。花粉の飛散時期は開始できません。この治療法は、徐々に免疫をつけて花粉症の症状が和らぐようにしていくので、即効性はありません。およそ8割の方に効果が認められますが、個人差が大きく、2年以上舌下投与が必要です。
Q・舌下療法は花粉症なら誰でも受けられる?
A ・ 全ての花粉に効果があるわけではありません。スギ花粉のエキスを含んだ治療薬ですので、スギの花粉症の方が対象です。ただし、ハウスダストやダニのアレルギーがひどい方はこの治療法は使えないので、事前にアレルギーの検査を受けるようにしてください。治療は保険適応で受けることができます。
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