2012年02月01日 配信

仕事があるということ、働く環境があるということは本当に素晴らしいこと

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「はたらくかたち」

 船橋市光風みどり園は、昭和60年に船橋市によって、障害のある方たちが活発に仕事に取り組むことができるようにと設立された社会福祉施設です。現在は社会福祉法人大久保学園が運営にあたっており、主に知的に障害を持つ方々を中心に毎日仕事に熱心に取り組んでいます。

 皆さんは授産施設という言葉をご存知でしょうか?授産施設とは、障害のある方に対して日常的に必要な生活支援と職業支援を行う拠点として、「働く」ことを通して充実した生活が送れるよう応援し、また、一人一人の労働に対して工賃(賃金)を支払うようになっている施設です。

 私達光風みどり園も通所型授産施設として、毎日100名を越す皆さんが懸命に仕事に取り組み、一般企業への就職も目指しながら頑張っています。

 ここで私達の取り組んでいるお仕事を紹介いたしましょう。馬込町にある船橋市営馬込霊園内の清掃を、毎日リヤカーを引きながら落ち葉やゴミの回収作業にあたる清掃作業・・・お墓参りに来られた方から「ご苦労さま」と声をかけられると、とても励みになるようです。

 次に船橋市内の公園やアンデルセン公園内を四季折々飾る花を栽培する園芸作業・・・市内の公園の花の多くを私たちが育てています。園でも販売もしておりますので念のため。

 3つめにテレビコマーシャルでも有名な、ジーパン屋さんの物流センターでの衣類の仕分け作業に励む企業内実習・・・この会社の関東一円にある店舗には私達が仕分けた服が並んでいます。

 最後にデパートや商店などのお買い物には欠かすことのできない、手提げ紙袋の組み立て加工作業と手芸用綿の袋入れ作業の2本立て。・・・日本中からたくさんの会社の手提げ袋を仕上げます。・・・手芸用綿はぬいぐるみの材料に多く使われています。どちらも軽作業ではありますが、根気のいるとても大変な仕事です。

 どの仕事も一人だけでは、中々上手くいかないかもしれませんが、チームを組んで得意なところをひきのばし、苦手なところを応援することで、彼らの力は計り知れないエネルギーと変化します。こうして繰り返し続けることで、平成17年以降園からは25名の方々を一般企業に就職として送り出してきました。障害のある方の本来持つコツコツと真摯に長く取り組むという長所と姿勢を、仕事の中に活かし、職場にとって必要な人材として受け入れられる環境を創り出すことが大切なことであると思っています。しかしながら、今の社会的不況は施設にとっても同様で、働いている会社の経営の難しさやリストラ等、本人の問題だけではない社会的な要因からの離職も多くなっているのが現状です。

 加えて高齢化の問題。これは障害を持つ方々だけではなく、一番の支えとなっている家族の高齢化も含まれています。働く事ばかりではなく、生涯を安心して暮らすことのできる環境の整備も進めていかなければなりません。

 真冬の朝、白い息を吐きながら頬を紅くして通園してくる皆さん。大きな声で「おはよう」と走り寄り笑う皆さん。

 仕事があるということ、そして安心して暮らすことのできる環境があるということは本当に素晴らしいことです。

 私達は、一人でも多くの人たちが、自信を持って暮らしていくことを応援することのできる環境にあります。このことを忘れさえしなければ、福祉施設と地域の果たす役割と使命は自然と見えてくるのではないでしょうか。

 光風みどり園は船橋県民の森近くにある施設。是非、皆様もお立ち寄りください。一同心よりお待ちしております。

千葉県知的障害者福祉協会事務局 社会福祉法人 大久保学園 船橋市光風みどり園
船橋市大神保町1359-7
TEL:047-457-7130
HP:http://www.chibachiteki.com/

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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