2011年10月01日 配信

 船橋は、東京湾最奥部に残された浅海干潟『三番瀬(さんばんぜ)』を抱える。三番瀬は、潮流や干満が盛んな豊饒の海として知られ、古くから漁業が盛んに行われてきた。江戸時代には徳川家の御菜浦として魚や貝を献上してきた由緒ある漁場だ。東京湾でも有数の漁業地である『船橋』。大昔から続く船橋の漁業の中から、貝類の漁を追ってみた。

 現在、船橋漁港で水揚げされる貝類はアサリや、バカ貝(アオヤギ)、ホンビノス貝等が挙げられる。かつて豊富な漁量を誇ったバカ貝や、アカ貝の仲間などは徐々に水揚げが減り、現在は外来種であるホンビノス貝の水揚げが伸びている。
 ホンビノス貝とは、もともと北米大陸に原生する種類だった。10年ほど前から東京湾でも生息が確認されるようになり、2007年ごろから市場で取引されるようになった。生命力が強く、アサリなどが死滅してしまう『青潮』という現象が起きても、地中深くに潜り込み難を逃れる事が出来るという。ハマグリのように肉厚で食感も良く美味、クラムチャウダーや酒蒸し、浜焼きなどの代表的な食べ方で市内のレストランや居酒屋で見かけることが増えた。

 船橋のアサリは、身が大きく旨味成分を多く含んでいる為、市場での評価も高く人気が高いというがここ2~3年は、気候の急激な変化により青潮が発生、大きな被害を受けているのだ。また、利根川上流に大雨が降ることで下流域の水害を防ぐため江戸川放水路が開放されるが、その際ヘドロと化した汚泥が三番瀬に流れ込む。これによってほとんどの貝が死滅するのだ。ちなみに、青潮や江戸川放水路の開放などがなかった翌年は豊漁になるのだという。
 

 

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