蕎麦好きが高じて、蕎麦好きにはたまらない、こだわりの店を開店
ざるそば800円(税込)。おかずと小鉢がついてこの価格はうれしい。
一見すると普通の民家の『柿(こけら)』は、金杉の閑静な住宅街の一角で営業をしている。
勤め人時代、北海道から沖縄まで日本全国を出張することの多かった康博さんは、元来の蕎麦好きも手伝い全国の名店・評判店を食べ歩いたとのこと。蕎麦好きが講じて自ら蕎麦を打つようになったのが20年ほど前。「最初5~6年はうまくいかなかったが、広島の有名店『達磨』店主の高橋さんに出会い、コツを教えてもらったらその日に蕎麦がつながった」のだと言う。
その後、康博さんは着々と独立準備を進め、定年まで後2年となった一昨年、独立に踏み切った。「この間は、同期や同僚が現役で頑張っている姿が心の支えでした。定年してからだったらこれほどの気力は湧かず開店はなかったと思う」とこの2年を振り返る。
こだわりの手打ちは
趣味から始めただけに細部まで
蕎麦は「蕎麦の実を少量ずつ仕入れることで新鮮さを保ち、毎日石臼で挽くことで本来の味を楽しんでもらう」という。小麦と蕎麦の割合が二対八の江戸打蕎麦、細めの麺ならではのスッキリとした喉ごしと、二八蕎麦ならではのコシが自慢。量は男性でも満足の160g。これを長野の醤油と利尻の昆布、枕崎の本節で出汁をとったオリジナルの麺つゆで味わう。また道具も、自らデザインした包丁の他、前述の高橋さんから譲り受けた麺棒などを使っている。
一方、出身地である佐賀の有田焼を使った器には、自家製の漬物と、料理自慢の奥さんが作る日替わりの一品が盛られ見た目にも食欲をそそる。
和やかな空気に包まれた店内は、康博さん自らによって一般の住宅用建材だけを用いて設計され『自宅の居間のように寛いでほしい』という想いが伝わってくる。席数も12席と決して多くないので訪れる際には事前に電話連絡を入れたほうが良いだろう。
左:趣味時代からのこだわりの道具の数々が活躍する。
中:座席は12席と少なめなので、予約をした方がいいだろう。
右:普通の民家のような外観が落ち着かせてくれる。
店主/柿本康博さん
【柿(こけら)】
船橋市金杉7-20-3
TEL/047-448-3535
営業時間/11:00~15:00
定休日/月曜・火曜
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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