2010年03月01日 配信

minowahiroyuki1.jpg船橋吹奏楽団 名誉会長
箕輪弘之さん

県内最古の吹奏楽団『フナスイ』の立役者

 「本当に何にも無い時代だったからねぇ…」。県内でも最古の市民楽団といわれる船橋吹奏楽団(※通称フナスイ)前身の音楽隊がボーイスカウト船橋第一団に組織されたのは終戦直後の事。楽器は進駐軍からの払い下げで、練習場を見つけるのは困難だった。やがて、箕輪さんがボーイスカウトを退団する18歳になると、音楽隊のメンバー17名で現在の船橋吹奏楽団を創設する。昭和30年、国民全体が音楽に飢えている頃のことだった。

 

 
 新体制の第一期生だった箕輪さんたちには先輩がいない。自然と彼らが手がける事は常に新しく、前例が無い事ばかりになる。やりたい曲を演奏しようにも譜面が無い。この時代ほとんどの曲にオーケストラの楽譜しかないのだ。これらのオケ用の曲を箕輪さんが吹奏楽用に編曲し譜面を書く。この時、全員分の譜面を用意して渡していたというから驚きだ。「一人一人の力量が違うからみんな同じ譜面というわけにはいかなかったんです。曲のイメージを考えながら逆に自分で好きなようにアレンジできました。入ったばかりの団員になると、下手するとあるパートでは「ド」だけ吹き続けるような譜面になっていることもあったんです。それでも演奏に参加することが大切。上手になってから参加するなんて言っていたら上達しないですから」

 

 
 箕輪さんは自身の子どものようなフナスイの役割について「長男の役割を果たさなければならない」と語る。県内でも最古であるフナスイは何をするにも最初。定期演奏会も今年で55回目。常にチャレンジしていることを求められる。「フナスイがつまずけば、皆ががっかりする。『所詮、市民楽団だったら此処までが限界かぁ』と、そうなってしまったらいけない」といつでも緊張感を持って演奏会に望む事の大切さを語ってくれた。

 

 

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【プロフィール】
昭和10年1月生まれ
船橋市本町在住

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