2009年06月01日 配信

みんなが安心して暮らしてゆける船橋に

~もしも障害者になったら~

maeda.jpg千葉県健康福祉部
障害福祉課広域専門指導員

前田 満子

もの心がついた頃東京は焼け野原でした。皆が貧しかった時代で、着ていたセーターが暑かったのでちょっと脱いだ間に無くなったり、貸したつもりの物を持っていかれたりしました。しかし、貧しさ、ひもじさから来る犯罪は多かったものの皆が助け合っていました。

疎開先の祖父は方面委員(今の民生委員)をしており家には電話がありました。携帯が普及した今、若い人には考えられないかもしれませんが、電話は貴重品で、ほとんどの家は「呼び出し」でした。近所の人たち宛に電話がかかると冬の寒い夜でも食事中でも誰かが伝えに行かなくてはなりません。子供が交代で「電話ですよ!」と呼び出しに行きました。これが私の福祉活動の原点かな、と思います。

結婚して3人目の子供が生まれた後(もし夫が事故で障害者になったら)、と心配になりました。障害について何も知りませんでした。そこで障害者になったときの為に点字、視覚障害者ガイドヘルプ、車いすガイドヘルプ、要約筆記、高齢者介護などをボランティアしながら勉強しました。今の障害者が幸せなら私が障害者になっても幸せに暮らせるだろうから支援組織を作りたいと思いました。

船橋市に引っ越してきて脳性まひの人たちに出会い、一緒に船橋障害者自立生活センターを設立しました。市からの委託で市町村障害者生活支援事業の相談員をさせていただきました。障害者自立支援法の成立に伴い船橋福祉相談協議会設立に参加、全ての障害者を対象とした総合相談窓口ふらっと船橋の開設と同時に相談員をさせて頂きました。障害者は一人として同じではなく必要とするヘルプも様々です。障害者が私の先生でした。

平成19年7月から『障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例』が施行され、広域専門指導員としてFACEビル7階で働くことになりました。この条例は障害を理由にした差別があってはならない、もし差別と思われることがあったら話し合いで解決しようというものです。相談を受け付けるのは船橋市内に31人いらっしゃる地域相談員です。私の仕事は地域相談員と一緒に問題の解決を図ることです。

何が差別かというと、条例では福祉サービス、医療、商品およびサービスの提供、教育、雇用、建物および公共交通機関、不動産の取引、情報の提供の8分野でそれぞれどんなことが差別になるかを規定しています。差別には【障害を理由とする不利益な取り扱い】と【合理的な配慮に基づく措置が行われないこと】の2種類があります。

お店に段差があったら車いすの人は入れませんので不利益取り扱い、人が上げてくれれば合理的配慮です。本当はこんな仕事が無くても済むような、みんなが安心して生活できる差別の無い世の中になってくれるのが私の夢なのです。

条例窓口 TEL  047(424)0167
FAX 043(222)4133
受付時間 月・火・木 9時~17時
金 9時~15時
時間外は県障害福祉課に転送されます。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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