コラム
新型コロナの先にあるものvol.19
2020年4月、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言発令によって私たちの周辺にはたくさんの変化が起こりました。
拡大を繰り返し密接につながってきたグローバル経済の特性、それぞれの国が持っている国民性や文化が浮き彫りになりました。そのコロナ禍もこの10月からひと段落ついた感があります。1回目のワクチン接種が7割を超え「ワクチン接種済み者」の消費を促進しようと「特典」を提供する企業がメディアでとり上げられています。
船橋では9月15日、前内閣官房参与・岸博幸さんを招いた講演「一緒に探そう!向こう側にある新しい形」が船橋商工会議所青年部主催により来場者300人以上を集めて行われました。
企画が立ち上がったのは今年4月。まだコロナの行方が不透明。必要な人へのワクチン接種も進まない状況で、大矢倫子実行委員長は「私たちがこのタイミングで開催しないと船橋の経済が動かなくなってしまうかもしれない」とリアル開催を決意、「船橋で講演やイベントを開催するにあたってこうすれば実施可能という実例を見せられるようにしたい」と感染症対策を徹底し実行しました。
岸さんの話の中で、「経済成長の指標とされている『名目GDP』、日本はこの25年間3%成長だったのに対して、同期間の米国では300%、中国は2500%超だったことなどを挙げました。さらに、フランスでは同200%、イギリスでも220%だったと提示し「日本は25年間負け組だった」と断言。その原因を「大企業や日本のトップであるエリート層がデジタル化を置き去りにしたことでイノベーションを起こせなかったこと。トップがリスクをとってこなかったこと」などと話されていました。そして、日本がそれでも持ちこたえられているのは「非エリート層である『現場』の力」として、コロナ禍における医療現場の水際対策や「自粛要請」だけでコロナ感染を食い止めてきた国民の力を例に挙げていました。
東京一極集中やグローバル連携などのリスクが浮き彫りになった面もあり、様々なことが見直されていくきっかけになったコロナ禍。「近場の観光価値」が見直され「マイクロツーリズム」という言葉が広がりました。コロナ直前は大手広告代理店で長時間労働が問題視され夜間になると消灯、オフィスから社員を追い出す様子が報道されていました。なかなか進まなかったテレワークやオフィス外就労はこの2年で一気に導入が加速。岸さんは講演の最後に「イノベーションとは、新しい価値を生み出すことではなく、現在ある価値と価値で新しい組み合わせを作ること」と話されていました。ITなどの技術を導入し仕事を効率化し働き方の見直しや地域のあり方、日本がもつ本来価値などを見つめ直す必要があると思います。
株式会社myふなばし代表取締役
一般社団法人船橋市観光協会
包括地域プロデューサー
山﨑健太朗

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