船橋市北部にある社会福祉法人「大久保学園」(船橋市金堀町499・1)を会場として、今年8月下旬、市内の障がいのある人を中心とした新型コロナウイルスのワクチン2回目の集団接種が行われた。これは船橋市と共同で4日間に渡って行われたもので、大久保学園関係者のほか、障がい者を受け入れている市内約30の法人も参加し、約1500人がワクチンを接種した。
大久保学園は、障がいのある人の施設入所、生活介護、短期入所、グループホーム、日中一時支援を行う社会福祉法人。同施設だけで200人の受け入れが可能な規模の施設となる。さらに隣接して生活介護、就労継続支援B型の事業所となる「ふなばし工房」、生活介護、就労移行支援、就労継続支援B型の事業所「みらい工芸館」も備え、工房と工芸館を合わせて80人を受け入れる。
そのほかにも、同法人は大神保町で生活介護と自立訓練の事業所を運営する「船橋市光風みどり園」の指定管理者でもあり、昭和46年から障がいのある人たちがその人らしく暮らすための支援を続けている。同法人の理事長は今年6月から第7代理事長・千日(せんにち)清さんが務めている。千日さんは千葉県知的障害者福祉協会の副会長兼事務局長でもある。
新型コロナウイルスの感染拡大から一刻も早く同園の利用者や職員に対し、ワクチンの接種をしてもらいたいと願った千日さんは、「職域接種」の存在を知り、「自分たちもこれに応募してみよう」と動いた。
「障がいを持つ人の多くが医療に対して強い恐怖心を抱いている。障がい者が注射を受けるというのは、なかなか大変なこと。市の集団接種会場で一般の人に交じって受けるというのは、そこに行くことも大変だし、かなり難しいことであるとも思う。だが、自分たちの園でいつもの看護師や職員が側にいながらであれば、まだ受けやすいのではないかと思った」と千日さん。
1500人分のワクチンが確保できた同法人では「法人内だけでは数が余るので、市内のほかの障がい者を受け入れている法人さんに声をかけてもらい、希望される方にここを会場として接種してもらえたらいいのではないかと市に提案しました」と千日さん。
船橋市としても集団接種会場に障がい者用の枠を設けられないかなど、さまざまな方法を検討していた矢先の千日さんからの提案だったため、すぐに合意。船橋市障害福祉課から市内の各法人に連絡をしたところ、「市内各所約30の法人から、参加したいという返事があった。こうした提案はありがたいです」と障害福祉課の樋口晋也さんは話す。
大久保学園「とよとみみらい」ホールを使用した接種会場。医師は高木医院(本町2)の高木医師、法人産業医、浦安から1人の医師が協力。受付は船橋市障害福祉課が担当、法人内の看護師が全面協力し、無事に接種が完了したという
社会福祉法人大久保学園
理事長・千日 清さん
TEL 047-457-2462
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