2021年04月01日 配信
常設の「認知症カフェ」として開業。「介護のいろはを届けたい」

 高根公団駅近くに、いつでも「認知症カフェ」として利用できるカフェがある。ドアを開けると、ママ世代だけでなく、高齢者、認知症だと診断されたという人、体に不自由がある人など、さまざまな人が思い思いの時間を過ごす様子が見られる。

 「介護でも子育てでも、困っている人がここに来て、私たちが『こんな制度があるよ』とか『ここに相談に行ってみたら』と、福祉サービスへの橋渡し役になれたら」と代表の松江さんは話す。

カフェ開業のきっかけは母の介護で困ったから

 カフェの名前は「エプロン高根公団カフェ」(船橋市高根台1・2・2高根台プラザ1階)。高根台公民館に隣接するテナントで、昨年3月にオープンした。

 同店を経営するのは一般社団法人エプロンの代表理事・松江由紀さん。松江さんはこれまで「すまいるラボ」としてイベントプロデュースやウェブサイトの企画などをしてきたが、松江さんの母が認知症と診断され、突然、母の介護をするようになったことが「エプロン」設立のきっかけとなる。

 「突然、『お母さんは認知症です、介護が必要です』と言われて。在宅介護となり、何をどうしたらいいのか困ってしまったんです。いざ介護が始まると、似た境遇の人とお話できたらな…とか、こういうときはどうしたらいいんだろう?と、悩みも尽きなくて。何よりも、認知症である母と一緒に出掛けられる場所が欲しかった」と松江さん。

介護に関する情報発信をし、「介護のいろは」を届けたい

 松江さんのほかにも介護エキスパート(介護歴13年)である社員・松原マユミさんも松江さんをサポートする。「今度は、私たちが自分の経験を伝える役割」と、カフェでは日曜に介護に関するセミナーや相談会も開催。また、松江さんのブログでは、自身の母の介護のことも綴り、来店者の中には「ブログを見ました。実は私の母も認知症で…」と悩みを打ち明ける人もいるのだという。

 「始まりは『認知症カフェ』でしたが、本当の意味でのバリアフリーカフェでありたい。認知症だから、障がいがあるからなどをお互いに意識することなく、食事や交流を楽しめる場になってほしいと思っています。お子さんの不登校に悩む親のお話し会もしています。気軽にいらしてください」と松江さん。

取材協力


エプロン高根公団カフェ
代表・松江 由紀さん(写真中央)
TEL 047-779-4662

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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