2020年04月28日 配信

治療の優先順位を決定して、
選別する「トリアージ」

 

 船橋市では4月1日から、有事の際には市内9カ所で「病院前トリアージ」が始まる。「トリアージ」とは、患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うこと。通常時の医療では診療能力や資源が十分足りているが、災害時では爆発的に傷病者数が増加する。

 迅速な応援や補充があれば均衡を保てるが、災害時には医療従事者も被災者に成り得る状態なので、傷病者数が大きく膨れ上がることが予想される。限られた資源を有効かつ無駄なく活用し、最大多数の傷病者に最善を尽くすためにも、すべての傷病者の緊急度や重症度を評価し、診療の優先順位を決めるトリアージが必要になる。

 これまで船橋市では、有事の際の治療の優先順位を決定して、選別する「トリアージ」訓練を重ねる病院関係者9カ所の病院前で始まる緊急避難所として市内55カ所の小学校を指定している。

 あらかじめそこには医薬品及び医療用具を配備し、医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、接骨師会の協力のもと、大規模災害時には各小学校に応急救護所を設置し、負傷者へのトリアージや応急手当を行うというルールを20年以上続けてきた。

 板倉病院の院長梶原崇弘さんは、「日本医師会でもJMAT(日本医師会災害医療チーム)などの取り組みが進み、東京都でも病院前に救護所を置くという動きになっています。船橋市もその流れに乗るためルールを変えましょうと、船橋市医師会に提言してきました」と話す。

訓練を重ねる病院関係者
9カ所の病院前で始まる

 そこで今年4月1日から、市内9カ所の病院の前でトリアージを行えるようにする「病院前トリアージ」が始まることになった。

 9カ所の病院は下記の通り。船橋市立医療センター(金杉1-21-1)、千葉徳洲会病院(習志野台1-27-1)、東船橋病院(高根台4-29-1)、船橋中央病院(海神6-13-10)、青山病院(市場4-21-8)、板倉病院(本町2-10-1)、船橋二和病院(二和東5-1-1)、船橋総合病院(北本町1-13-1)、滝不動病院(南三咲4-13-1)、セコメディック病院(豊富町696-1)。船橋地域福祉・介護・医療推進機構が主催する「災害トリアージ講習会」が板倉病院で行われるなど、船橋市では日ごろから緊急時に備え、病院関係者でトリアージができるように訓練をしている。

取材協力
板倉病院 院長
梶原崇弘先生

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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