2020年10月29日 配信
 
火災警報器の設置で火災による死者ゼロを喚起

船橋市の火災による死者の実態

 船橋市消防局によると、昨年市内で発生した火災件数は108件、そして火災による死者は6人、うち5人が高齢者だった。

 消防局は火災による死者ゼロを目指しており、高齢者や身体の不自由な方には、健康高齢部高齢者福祉課や福祉サービス部障害福祉課と連携し、住宅用火災警報器の設置促進に向けた取り組みを行っている。

取り付けが義務化した住警器


2階の階段部分に設置された住警器

 「住警器」とは「住宅用火災警報器」の略で、キッチンや寝室などで火災による煙や熱をいち早く感知し、音声やブザーで、火災を早期に知らせる警報器のこと。

 2006(平成18)年に船橋市火災予防条例により寝室と台所、寝室が2階にある場合には階段にも設置が義務付けられた。しかし未だに設置されていない住宅が多く存在する。

 高齢者は避難に時間がかかる傾向にあるため、まずは火災にいかに早く気付くかが大事になる。

 全国的に見て、住警器の設置義務化後、火災件数や火災による死者数も大きく減少した。このようなことから、消防局でも住警器の設置を推進し、火災による死者を無くすことを目標に掲げている。

出火原因はたばこの消し忘れや調理中に

 出火原因で多いのがたばこやこんろ、電気関連。たばこの消し忘れや、天ぷらなどの調理中にその場を離れてしまっての発火、コンセントにプラグを長期間差し込んだままにして、たまったホコリなどから発火するトラッキングなどが原因になることが多いという。

住警器の取り付け支援
聴覚障がい者や高齢者にはフラッシュタイプの案内も

 健康高齢部高齢者福祉課と連携し、設置促進の広報を行うとともに、一人では住警器の取り付けができない高齢者の一人暮らし世帯に対し、予防課員が住警器の取り付けを無償で行っている。

 聴覚障がい者や高齢の難聴者には各部局と連携し、光により火災を知らせるフラッシュタイプのものを案内している。

 船橋市消防局予防課調査広報係主任の渡邉卓也さんは「火災による全世代の死者、特に高齢者の死者を減らすため、市民一人一人に住警器の設置を呼び掛けたいです。高齢者は詐欺に対する危機感から設置に後ろ向きな方や、昔気質の方では消防の世話にはなれないと相談するのを拒む方もいらっしゃいます。なので、特に高齢の親がいる私のような世代へ働き掛けていきたいと思います」と真剣な眼差しで話す。

取材協力


船橋市消防局予防課 調査広報係主任
渡邉卓也さん
TEL 047-435-8651

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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