「看護小規模多機能型居宅介護サービス(以下「看多機」)」は、これまでの「通い」「泊まり」「訪問」の3つの介護サービスが1つの事業所で利用できるシステム「小規模多機能型居宅介護(以下「小多機」)」に、新たに「看護」が加わったシステム。
全国的には2013年から始まったサービスで、船橋市内では今年10月、初めて介護事業所「セントケア看護小規模船橋」(船橋市北本町1・10・15)でそのシステムが動き出した。
同介護事業所所長の草野誠次さんは「小規模多機能とは、人数が30人程度の小規模で、いろいろな機能があるので多機能と言います。そこに新たに看護が加わり、よりトータル的におひとりの介護を俯かんできるようになりました」と話す。
医師の指示のもとに自宅へ訪問看護師が訪問して実施する看護ケアと共に、「通い」「泊まり」の施設内での介護サービス利用時にも、医師の指示書をもとに看護師による看護ケア、例えば病状観察や床ずれなどを防ぐ措置、医療機器の管理、家族支援やターミナルケア(終末期ケア)が施せるようになった。
同事業所で働き、併設の「セントケア訪問看護ステーション船橋」の所長であり正看護師でもある郷田麻由さんは「1つの建物を、登録された方々がシェアして使っているイメージです。看護処置もできるようになったことで、それぞれのケアプランでスタッフがトータルに担当する『ワンストップ体制』になり、情報共有がしやすくなりました」と話す。
「医療」と「在宅」をつなぐ機能を備え、介護と看護の両面から柔軟に組み合わせてサービスを提供できる「看多機」があることで、短期間での退院が可能となり、長期入院による筋力低下が防げるようになる。在院日数が減る傾向の中、在宅での生活の不安の解消にもなり、慢性疾患があっても在宅生活が継続できるなど、メリットは多い。
さらに郷田さんは、「医師との連携も進み、登録した高齢者の主治医と看護師が、顔の見える関係を築けています」と、これからのサービスの在り方に期待を寄せる。
セントケア看護小規模船橋 所長 草野誠次さん・セントケア訪問看護ステーション 所長 郷田麻由さん
船橋市北本町1-10-15
TEL 047-460-2111(看護小規模船橋)
TEL 047-460-2150(訪問看護ステーション船橋)
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