2018年06月20日 配信

 高齢者に多い病気の一つとして挙げられるものに心不全がある。そして心不全は再入院する確率が約20パーセントと高いことでも知られている。そこで、心不全の予防はもちろん、心不全で入院した患者が再入院にならないことも目的のひとつとし、高齢者の自己管理に役立つものとしても開発したのが、稲垣先生・看護師チームを中心に医療・介護の多職種で制作した「心不全手帳」になる。この手帳は、1冊で365日の体重や血圧、運動や服薬などの記録ができる紙面になっている。

 「記録は続けることで体調管理のモチベーションになります」と稲垣先生。記録内容から予兆が読み取れ、早期発見にもつながる。中でも高齢者にとって、特に体重管理は水分貯留や脱水がないかなど心不全の兆候をチェックするうえでも大事になるという。そして運動、歩くことがいちばんのリハビリになる。

 高齢者にとって入院は、生命予後の悪化を招きかねないことは周知されていることだろう。筋肉が衰え歩行困難を招きやすくなり、病室という人とのコミュニケーションが少ない中で過ごすことで、認知症発症のきっかけを作ってしまうことにもなる。そこで入院・再入院の予防に大事になるのがセルフケア。セルフケアといっても、高齢者が一人で管理するのはやはり難しく、そのためにも退院後、かかりつけ医はもちろん、介護施設や介護サービスなどを利用し、ソーシャルワーカーや看護師など多職種の人間が連携しながら進めていくことになる。その連携のためにも、この手帳が一役担っている。

 退院後に限らず、通院によりこの手帳を生活に組み入れ自己管理することは、健康管理にも役立つ。医療サイドには「地域連携クリニカルパス」といって、患者ごとに入院から退院までのプランや退院してからのケアについて、情報を共有するシステムが整備されている。そのパスに患者サイドの自己管理ツールとして「心不全手帳」が共動することにより、双方向からの管理が実現することになる。稲垣先生は「稼働は7月以降の予定になりますが、セルフケアのツールとして『心不全手帳』を利用し、健康寿命を延ばしていきましょう」と力強く話す。

 

 

 

 

 

【取材協力】

船橋市立医療センター
心臓血管センター長
臨床研究部部長 医学博士

稲垣 雅行先生

 

 

 

 

住所/船橋市金杉1-21-1
☎047-438-3321

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