ども、演出です。
最近、自宅で練習している役者とやっていない役者の差が激しくなってきました。
本人にその自覚があるのかは分かりませんが、はたから見ていると丸わかりです。
それは、オイラが演出だからではなく、「誰の目から見ても明らか」だったりします。
やれていない本人だけが、やれていないこと・台詞を覚えていないことを認識していないのです。
また、最近は個人練習をやる機会も増えてきました。
これも注意が必要です。
「個人練習をやった」という安心感から、家での練習が無くなるケースが考えられます。
個人練習をやったとはいえたったの三時間。
これだけの時間で自分の体に落とし込むことは不可能です。
意識せずに練習したことが出来るようになるまで、反復練習をしてもらいたいです。
感情の流れや動きなんかは特に。
これから圧倒的にやることが増えていきますから、着実にやったことを消化していかないと自分が辛くなるだけですよ?
さて、今回の記事では「消化の手助け」をするネタを一つ。
読み込み
についてです。
これから書く「読み込み」は、あくまで十夢における読み込みの正解です。
他の劇団や他の演出家、役者にはまた違った考え方があると思いますので、参考程度にご覧ください。
で、
十夢における「読み込みの正解」とは?
それは、
背景を考えること
です。
んで、その背景には二種類あります。
一つは、「この台本が始まる前の背景」。
これは台本の世界、キャラクター含めて考えます。
台本の世界でいえば・・・
宇宙の何処かの星なのか、地球なのか、海外なのか、日本なのか。
年代は?季節は?時間は?
キャラクターでいえば・・・
性別は?年齢は?性格は?
血液型は?生い立ちは?
趣味は?
物語がスタートする前の前提的背景を考えるのです。
この前提的背景の答えは、ト書きに書いてあったりしますので、よく読んでみるといいでしょう。
書いてない場合は想像力を働かせて考えなければなりません。
キャラクターについての背景で注意しなければならないのは、「固定概念に縛られない」ということです。
キャラクターの背景を考えるのはあくまで「キャラ付け」の手助けにする為です。
なので、年齢が70歳と背景を考えたからといって「腰を曲げて歩い」たり、「しゃがれた声を出し」たりするのはNGです。
もう一つの背景は、「台詞の背景」です。
演劇用語でいうと、サブテキストというやつです。
台詞の内情ですね。
「お前なんか嫌いだ」という台詞があったとしましょう。
普通に読めば、台詞を言った役は、相手の事が嫌いなんでしょう。
しかし、頬を赤くしながら言ったとしたらどうでしょう?
本当に嫌いだと思いますか?
ほとんどの人はそう思わないはずです。
本当は好きなんだけど、照れて素直になれないんだな、と思うはずです。
それを表現するには、台詞を言う役者は好きという感情を持ちつつ、恥ずかしいという気持ちを持たなくては嘘になります。
サブテキストとしては・・・
「好きだなんて言えるわけないだろ!恥ずかしい!」
でしょうか?
ちょっとストレート過ぎますかね?
でも、こう思いながら先程の台詞を言えば、嫌いと言いつつも本当は好きなんだと、お客様には伝わります。
演技で大切なのは、このサブテキストなんです。
これが中途半端だと、薄っぺらい芝居になるのです。
サブテキストは全ての台詞にあるわけではありません。
台詞とサブテキストが同じ場合もあります。
そういった自分の役の心理を読み解く事が「読み込み」なのです。
そして、内側の感情のぶつかり合いを芝居というのです。
内側の感情を表現できれば表現できるほど、お客様は芝居に興味を持ちます。
「次」が気になるのです。
「次」が気になるのを表現できるのは「台本」だけではありません。
舞台に立つ役者もまた、「次」が気になる表現が出来る機会があるのです。
台本が面白くなくたって、役者が内側の感情を表現できれば「次」が気になります。
最終的にどうなるんだろう?って思ってもらえます。
(とはいえ、台本が面白くないと芝居は始まんないってのがオイラの持論ですが)
これ以上説明すると十夢の演技ノウハウを語らなくてはならなくなるので、この辺で。
さて、今週の練習は2幕の練習をしました。
台詞を覚えない役者を待つ事はもう出来ません。
ガンガン進めていきます。
ダブルキャストを増やしてしまったので、ちょい役のキャストが3名ほど足りなくなってしまいましたが、まぁそれは追々考えよう・・・。
3人くらいならなんとかなる。
2幕の練習、メインになってくるのは、ゆきなちゃん、めぐみちゃん、ゆかちゃん、あまちゃん、そしてオイラ。
んで、さきちゃんと、しんちゃんがサブで控える感じです。
本当に大変なのはさきちゃんと、しんちゃんなんですけどね。
それは近々練習します。2人には地獄を見てもらいます。
助かるのは、ゆきなちゃんは2幕の台詞を覚え始めている、ということです。
先日飲んだ後、メールを貰った時に「これからも頑張ります!」と書いてありましたが、有言実行してくれているようです。
こういう一つ一つが本当に嬉しいし、助かります。
たっし君との殺陣も少しずつ完成し、あと少しで第1段階は終了します。
2幕のメインはいろいろ「早い」かもしれませんね。
いえ、分かっています。苦労する事は分かっています。
でも、きっと家で練習して来てくれると思うんですよね。
練習したからといって安心する事なく、より良いものを求めて練習してきてくれると思うんですよね。
そこが1幕の1部のメインと違うところです。
1幕のメインでもやることをやって来てくれている役者がいます。
だからこそ、自分に甘くやってこない役者に腹が立つ。
本番、台詞を間違えていいのは、「事前に台詞が完璧だった者だけ」です。
後からダブルについた役者も、11月中に1幕は覚えてくださいね。
どちらも台詞が曖昧だったら「より覚えている役者」を役につけて、1回公演にします。
ダブルが現在居ない役者も、台詞が曖昧だったら今からでもダブルにつけます。
今の役を取られたくないなら、やることをやって下さい。
流石にもういいでしょ?オイラ充分待ったよね?チャンスあげたよね?
11/20(水)に確認します。
1幕1場から演出開始です。