2012年05月01日 配信

201205_fukushi_thumb.jpg

障害のある方にサービスを提供するのではなく同じ社会で「共に生きる」

ラフト = いかだ
しょうがいをもつ彼、彼女も
しょうがいをもたない彼、彼女も
わたしも あなたも
そこに生きる風景
浮かぶひとつのいかだ

わたし達は、これから小さないかだを作ります。
そして、そのいかだに乗り、出発します。
小さないかだの上で見えるもの、
感じることを大切にしながら、
オールを漕いでいきたいと思います。

川の水は冷たく、時に激しいその流れに
負けそうになるかもしれません。
頭上の空はいつも快晴とは限らず、
大雨が降る日が訪れるかもしれません。

それでも、少しでも、前に進めたら。

小さな船出の先にある
まだ見ぬ新たな景色に出あうため、
わたし達は、「NPO法人ラフト」を
設立します。

これは、設立時に記した文章です。
NPO法人ラフトはこの春5年目を迎えます。

現在、障害のある方たちの地域での生活を支援するため「サポート&サービスラフト」という事業所を運営し、365日24時間、マンツーマンのパーソナルサービスを提供しています。サービスの内容でいうと、ガイドヘルプと呼ばれる外出の支援が主です。ホームヘルプも行なっています。公的制度(移動支援・行動援護・居宅介護・重度訪問介護・同行援護)のサービス利用が多いのが実際ですが、制度では認められていないニーズに対しては、独自に制度外サービスも設定しています。
契約者は現在1 1 0 名程。幼児~50代の方まで、障害の種別も様々です。(傾向としては発達障害・知的障害のある方が多いです。)契約を希望してくださる方は後を絶たない状況ですが、各々の利用者さんの性格や障害特性、またそのご家族や周辺環境を理解し、ひとりひとりの生活におけるニーズを把握した「必要な時に必要な支援」を目指す時、一事業体としてその対象者数に限りを設けざるを得ないところもあり、現在はなかなか新たな契約は結ぶことができない実情です。(これについては葛藤もあります。)
所属のガイドヘルパー・ホームヘルパーは約20名で、自分の思いを一方的に押し付ける支援者にとどまらぬよう、障害特性の理解や支援技術、「地域生活支援」の意義等を学ぶ「研修」を周辺事業所よりも多く設けているのが特色かと思います。
この4月から、新事業として、障害のある方の「働く場」づくりにも取り掛かって行きます。
NPO法人ラフトの一番の目的は、障害のある方にサービスを提供するこ
とでは決してなく、あくまでそれは同じ社会で「共に生きる」ための手段です。ニーズ(必要性)と要求の見極めは大事にしていきたいと思っていますし、今後はサービス提供以外の手段も増やしていけたらと思っています。
私達の毎日は、隣に立たせてもらいながら、わかったりわからなかったり・・・人と人同士なので、やっぱりこれは永遠に続きます。それでも時に一緒に悩んで、一緒に喜んで、一緒に悲しんで。「がんばれ!」と心から応援もするけれど、失敗してもまた同じ場所に立っている・・・そんな日常の存在として、NPO法人ラフトはあり続けたいと思っています。

学生の頃、好奇心からアジアの一国タイの国立障害児施設で一か月程、多くの方にお世話になりながらボランティアをさせてもらったことが、障害者福祉に関わる仕事に就きたいと思ったきっかけでした。その施設では四百人以上の障害をもった幼児が入所していて、そのほとんどは障害を理由に家族と別れざるをえなかった子供達でした。そこには悲し過ぎる現実もたくさんありました。
タイ語も話せず何の経験も知識もなかったあの頃の私は、とてもかわいい子供達とただ遊ぶことくらいしかできませんでしたが、本当に楽しい毎日を過ごさせてもらいました。帰国後、自らの無力さばかりに気持ちは向きましたが、彼らとの出逢いの意味を考える中で、「今ここでできること」という思いに辿り着きました。あれからもうすぐ十三年。日々の出逢いと出来事を通して、悩みながらも紡がれていく思いがあります。その思いをこれからも少しずつ丁寧に形にしていけたらと思っています。

NPO法人ラフト

住所 船橋市海神5‐1‐12
電話番号 047‐431‐3451

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

スポンサードリンク

MyFunaの最新情報はこちらから
関連キーワード