2010年6月 1日 | 記事URL
「六月の勝利を忘れない」DVD-BOX ※2002年11月20日発売/現在入手困難
ワールド・カップ(WC)まであと1ヶ月を切った…。岡田監督が当時記者会見でWCベスト4入りを掲げたサムライ・ブルーだが、先日のセルビア戦で3-0と完敗。試合直後にはサポーターからブーイングの嵐が吹き荒れ、翌日の新聞も首脳陣や選手には堪えたことだろう。以前から得点力や決定力不足が指摘されるサムライ・ブルー。完敗の原因はどこにあるのだろう?はたしてそれだけなのだろうか?
さて、今回ご紹介する岩井俊二監督の「六月の勝利を忘れない」は、初の日本開催となった2002年ワールド・カップ(正確には日韓合同開催)で初のグループ予選突破を目指したトルシエ・ジャパンに「選手招集→予選突破」までを完全密着したドキュメンタリー映像作品だ。トルシエ監督は中田(秀)、稲本、小野ら海外組や柳沢、宮本、森岡など国内組トップクラスの選手達を招集し日本サッカーの歴史を切り開くべく準備を整えていく。全編ホームビデオ形式で撮られたこの映像作品は映し出す場面によってその表情を変えていく。もちろん決まったセリフなど一つもない。厳しい練習や緊迫した試合前の控室、ミーティング風景など普段見ることが出来ない緊張感と厳しい練習や試合を終えた後の各選手のリラックスした表情のコントラストがこの作品の最大の特徴だ。試合が終わりプレッシャーから解放され雄叫びをあげる選手達や合宿先で他の選手にいたずらを敢行する先輩(笑)。こんな風景が日にちで区切られたチャプターで進んでいく。ベスト16に止まったものの目標だった予選突破を果たしたトルシエ・ジャパンの舞台裏には若い選手をリラックスさせ、ピリピリとした空間で最高のパフォーマンスを引き出すベテランの存在が欠かせないことを伝えている。それをいち早く見抜いたトルシエ監督の功績は大きい。このドキュメンタリー映像作品はサムライ・ブルーの弱点を浮き彫りにしていると思うのは私だけだろうか…。
賽は振られた。WC初戦は現地時間6月14日、インテルFWエトゥー擁するカメルーン戦だ。健闘を祈ろう。
音楽評/深井優樹
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