11/18(水)「魔女の宅急便」著者の角野栄子さんを迎え子育て支援イベント
講演とレクリエーションの二部構成
船橋中央公民館(船橋市本町2-2-5)6階講堂で11月15日、角野栄子さんの講演会と親子で楽しむレクリエーションタイムの2部構成からなる「親子で楽しむ子育て支援イベント」が開催された。
11月は「児童虐待防止推進月間」。それぞれ何が出来るのかを考え、呼び掛けていく活動を「オレンジリボンキャンペーン」といい、国や地方自治体、NPO法人だけでなく、民間企業やスポーツ団体などの協力も得て、児童虐待防止普及啓発のためのイベントを展開している。
「一人でも多くの市民に『児童虐待防止』に関心をもってもらうため、この時期にイベントを設定。改めて子どもを大切な存在と感じてもらえる機会づくりとして企画しました」と話すのは、子育て支援センターの職員。
第1部は『魔女の宅急便』の著書である作家、角野栄子さんによる「幼年童話の魔法~文字を読めるようになった子どもが出会う新たな世界~」と題する講演。
1959年にブラジルに移住し2年間滞在。苦労の多い貧しい生活の中逃げ出したくなったが、帰国後に描き上げた処女作『ルイジンニョ少年、ブラジルをたずねて』のモデルとなる少年に偶然出会い、ポルトガル語を教えてもらい前向きに生きることができたという。
作家になろうとは思ってなかったが、大学の恩師の勧めもありその少年のことを書くことに。筆は進み原稿用紙300枚にもなる物語を書きあげ、14、15回書き直しを経て、原稿用紙70枚にまとめ上げた。
「母親は、ともすれば子どもとの世界だけになり孤独になりがち。自分もそうだったが、好きなことができると気持ちの開放がありました」と角野さん。
「人には1つ魔法があればいいと思います。それは誰にでもあるのではないかしら。それが『魔女の宅急便』を書くベースになっています。キキはホウキに乗れるというひとつの魔法で町になじんでいったでしょ」と、作品についても触れた
小さい頃に父親が独特の口調で物語を話してくれたことが自分の創作の根っこにあることを今さらながら気付いたという角野さん。「話のおもしろさ、口調、リズム感など言葉の思い出は、いつ思い出すかはわからないけれど、その人の宝になり一番の力となる想像力を育ててくれます。
わるのではなく、次に自分で読む力をつけてあげることが大事。自分で読むようにならないと本当の本好きな子には育たないんです。例えば少しだけ読んで、この後どうなるんだろうねと自分で読んでみたくなるように誘うとよいですよ。それがその子の生きる力になります」とも。
講演が終わり、角野さんの著書を手に取り眺めていた4歳の女の子連れの室橋さんは、「ブラジルでの話がとても楽しかった。今回講演会デビューしたが、子連れでも聴きやすくよかった」と話した。
約1時間の講演の後の休憩時間にはサイン会が開かれ、手持ちの本にサインを求める長い列ができた。「一番上の子が『魔女の他急便』が好きでよく読んでいました。今日はその本にサインしてもらいました」と下の子2人を連れて参加したという石山さん。「子どもへの読み聞かせはその子の陽だまりの場所になる、という話が印象に残りました」と話すのは男の子連れの千葉さん。
第2部は「親子で楽しむレクリエーションタイム」と題して、客席を片付け絨毯を敷き、子育て支援センター職員による手遊びや人形劇(ブレーメンの音楽隊)など親子でスキンシップを図りながら過ごす時間となった。
当イベントは平成23年から始まり今年で5回目。あいにくの雨空で参加者は161人だったが、定員は先着200人のところ問い合わせは230人からあったという。
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