9/13(日)三山の二宮神社で下総三山の七年祭り
三山地域だけの小祭「湯立祭」が盛大に
室町時代に起源を発するとされている下総三山の七年祭りが9月13日、二宮神社(船橋市三山5-20-1)とその周辺の三山地域で行われた。
この日行われた「湯立祭」は、10月31日~11月2日の3日間で行われる「大祭」に対して、地元の田喜野井と藤崎を中心とした三山地域だけで行われる「小祭」と呼ばれている。
大祭では、三山地域の住民は、他地域から集まってくる神社関係者・氏子・担ぎ手などの対応で接待や運営に回るため、今回の湯立祭が自分たちの神輿を担げる6年に一度のチャンスだとされている。
下総三山の七年祭りは、昔この地域を治めていた馬加陸安胤(まくわりやすたね)という城主に、なかなか子どもが生まれなかった為、二宮神社に祈祷を命じたところ、たちどころに男児を安産で産み落とす事が出来た。
これを大変に喜んだ康胤が近隣神社を巻き込み、盛大な祭りを行ったのが大祭のルーツとされているため、二宮神社を父に、子安神社を母、長男を時平神社、娘を高津比咩神社、八王子神社(末息子)、菊田神社(叔父)、大宮大原神社(叔母)、三代王神社(産婆)、子守神社(子守)と神社を家族や関係者に見立てて、それらが安産の祝いに駆け付けるテーマで祭りが行われている。
この日は、早朝から二宮神社に関係者が集合。祭典委員長や大年番代表があいさつすると御神酒での乾杯、手締めを行い神輿の担ぎ出しが始まった。
道路封鎖を行い丸々一日かけて神輿が町内をくまなく回った。三山のメーン通りとなっている「けやき通り」では、10時頃から交通規制を開始、路線バスや沿線に車庫を持つ一部の車以外の立ち入りを制限して、たっぷり時間をかけて神輿がもまれた。
今年の祭りで供奉員(ぐぶいん)という、神輿の前で提灯を持って先導する大役を果たした渡辺義博さんは、「21歳で三山の七年祭りに『金棒の持ち手』として初参加しました。6年後の27歳では、棒頭として神輿デビューを果たし、以降様々な役につかせて頂きました」と、これまでの祭りを振り返る。
現在は、役員として寄附金を集める大変な役回りも果たしているという渡辺さん。「前の年からそろそろだなぁ…と憂鬱な気もち半分、血が踊るような気持ちになるのが半分というのが正直なところ。大祭が終わるとホッとします」と少しだけ本音をのぞかせ笑顔を見せた。
「6年に一度の開催なので、70代後半から80代の方は『次の神輿を見れるのかなぁ』なんてしみじみと沿道から眺めているようです。子どもは山車を、大人になると神輿を、人生の晩年には沿道からその様子を眺めながら人生を通じて6年間をしみじみと振り返るのがこの祭りの特徴」と話した。
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