2015年02月19日 配信

2/19(木)勤労市民センターで市民公開講座を開催

認知症患者を詐欺から守る

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 勤労市民センター(船橋市本町4-19-6 TEL047-425-2551)で2月14日、「認知症患者を詐欺から守る」をテーマに市民公開講座が開催され、多くの市民が訪れた。

 昨年度の船橋市の振り込め詐欺被害件数は82件(前年比+46件)、被害総額は3億8500万円(前年比2億8,600万円)と、被害が増えている。年間を通して、特に3月に被害件数が集中しており、注意を促すことを目的として同セミナーが開催された。

 同講演では、やすまクリニック(船橋市本町1-5-3 TEL 047-407-2111)の安間芳秀院長と船橋警察署生活安全課の安達さんが講師を務めた。

 被害の種類は大きく分けて3つに分類される。被害件数の多い順に、オレオレ詐欺、還付金詐欺、架空請求が挙げられる。実際に被害にあった人を年代別でみると、70代が最も多く、男女比では女性が圧倒的に多く、全体の7割を超える。
「『自分の息子の声を間違えるわけがない』と思っている人ほど詐欺に遭いやすい」と、安達さん。

 船橋市には、銀行や郵便局で高齢者が100万円以上の振り込みを行う場合、現場職員から警察に連絡が入り、警察が現場へ赴き、振り込め詐欺ではないかどうかを本人と確認を取る仕組みがある。

 その仕組みを知っている詐欺師も多く、振込場所に無人のATMを指定することもあり、具体的には船橋市夏見のヨークマート前に設置されているATMでの被害が多いことも説明し、注意を促した。

 また、安間さんからは認知症についての説明が行われた。認知症の患者に対する診察を事例とした映像を流し、実際の認知症患者の行動を説明。認知症の人が振り込め詐欺の被害に遭遇している割合は、健常者に比べ約7.6倍というデータも紹介し、詐欺師がどのように言い寄ってくるのかを、具体的な事例を挙げて説明した。

 「親というのは頼られると“親心スイッチ”が入ってしまいます。一度スイッチが入ってしまうと、疑うこともせず、言われた通りに振り込んでしまうことが多い」と安間さん。「電話が来たら、自分の電話帳に記録してある息子や娘の携帯電話にかけ直し、本当に電話をしてきたどうか確認することで未然に防御することができる。認知症を患っていても、日々、電話をかけ直す習慣を訓練することで、詐欺の被害に遭遇するリスクを軽減できます」とも。

 2014年10月現在、船橋市の認知症患者は1万2,503人。団塊世代が75歳を迎える2025年には、その数は2万4,602人となり、現在の約2倍となる想定だ。そのため市では、認知症患者やその家族、福祉・医療関係者に対し、認知症に関する基礎的知識や市内での認知症に関する取り組みについての理解を深めることを目的とし、認知症勉強会や認知症サポーターの養成講座の開催、認知症相談窓口の設置などを積極的に行っている。

 同講座以外にも、2月10日には飯山満公民館(船橋市飯山満町1-950-3 TEL047-424-4311)で認知症の症状と対応策について千葉病院の小松院長が市民に向けた説明会を実施。2月11日には、船橋在宅医療ひまわりネットワーク(船橋市湊町2-10-25 TEL 047-436-2412)の人材育成研修会主催による勉強会も開催され、140以上の関係職種から参加があった。

 船橋在宅医療ひまわりネットワークの代表であり、船橋市医師会会長の玉元弘次先生は、「こうした日頃の勉強により、介護の質を向上することができ、患者さんとそのご家族のQOL(生活の質)を向上することができます」と話す。

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MyFuna編集部

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