2014年12月18日 配信

12/18(木)きららホールで「介護力事例発表会in船橋」

介護業界の若手が主体となって初めての開催

IMG_1243kaigoryoku.jpg  
   

 船橋市内の介護事業で働く若手人材が中心となって企画した「介護力 事例発表会in船橋」が12月17日、きららホール(船橋市本町1-3-1)を会場に開催された。

 今回の実行委員会は、介護業界の次代を担う二代目経営者らで組織された「介護力事例発表会実行委員会」。業界内で活躍する若手人材も実行委員会に参加し、現場で活躍する20~30代の若手が取り組んだ介護事例の発表が行われた。介護業界で同様の取り組みが行われたことはこれまでに例がなく、今回が初めての開催。

 事例を発表したのは社会福祉法人南生会、社会福祉法人清和会、社会福祉法人八千代美香会、社会福祉法人康和会、社会福祉法人六親会、社会福祉法人千葉県福祉援護会の6法人。

 南生会からは特別養護老人ホーム南生苑の高山和之さんが「歩きたい!Mさんの願いが叶った」というテーマで発表。寝たきりでベットでの生活を余儀なくされていた84才のMさんのケアに対して「介護力向上プロジェクト」を組織内で立ち上げた事例が紹介された。

 月2回の会議を通じて、水分、常食、排便、歩行という4大テーマに対してそれぞれ目標を定め、利用者の自立支援に向けた取組みの様子を発表した。Mさんは歩行訓練開始から1か月で歩行器を使った歩行が可能になり、取組み当初の平均水分量が450ミリリットルだったところ、1年後には常時1500ミリリットルを摂取するようになったという。

 また、康和会からは特別養護老人ホームオレンジガーデンの竹谷聡太さん、阿部みどりさん、鈴木有紗さん、高橋大和さんが「自立支援介護の取り組み」というテーマで事例を発表した。

 同施設では利用者の身体機能が低下してゆく姿を見て、児施設のケアの在り方に疑問を持ち、ケアの見直しプランを立案。データに基づいた計画を立て、PDCAサイクルに従って計画の実行結果を検証した。

 課題にしたのは水分摂取量1500ミリリットル/1日、食事形態の見直し、歩行訓練の実施、排泄介助の見直しという4つ。それぞれの課題に対し施設全体で取り組み、入居者50人の平均値が大幅に改善したことを発表した。

 このほかにもそれぞれの発表者がテーマを掲げ、ケアプランを実行し改善した事例を発表した。漫然と日常業務を行うのではなく、事例発表会に向けてテーマを絞り、多方向からケアを考え、実践することで業界全体の介護力底上げを図っている。

 この日、パネリストとして登壇した特別養護老人ホーム船橋健恒会ケアセンター施設長の細野静さんは、「どう生きたいのか、最後をどう迎えるのかについて家族にも入ってきてもらう事でケアにつなげてゆく必要がある」と話した。「一般の市民や介護にかかわらない人たちにも、介護の現場を見てもらうことが大切、他人事では済まされないこと」とも。

 同会では二度目の事例発表会も視野に入れ、今後も介護現場の事例を研究・発表しながら「個の実践知を全体の実践知にしてゆく取組み」として業界をあげて継続して介護力の向上に努めてゆく方針だという。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

この記事を書いた人

MyFuna編集部

MyFuna編集部

スポンサードリンク

記事の場所
関連キーワード