2014年11月14日 配信

11/14(金)リハビリセンター病院で福祉スタッフ向け勉強会

認知症の症状と対処法を学ぶ

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 船橋市立リハビリテーション病院(船橋市夏見台4-26-1 TEL047-439-1200)で11月9日、「高次脳機能障害及び認知症の症状と対処法を学ぶ」セミナーが開催され、市内の福祉施設で働く80人のスタッフが参加した。

 主催は、千葉県在宅サービス事業者協議会。講師は船橋市立リハビリセンター言語聴覚士の竹中祐子さん。

 言語聴覚士とは、コミュニケーションや食事など、健常者であれば自然に行える行動が、病気や事故、加齢などの影響で不自由になった人に対して、言語、聴覚、発声、発音、認知などの各機能の維持向上や検査、助言、指導、などを行うリハビリテーション専門職の一つ。

 また、高次脳機能障害とは医学的に脳の損傷により起こる高次脳機能問題の総称だ。例えば、ペラペラとたくさん話すことはできるが、外国語のような言葉で何を言っているかわからない「失語症」、買い物前に現金を準備することがむずかしい「遂行機能障害」、病気で医師から薬が処方されているのに、服薬の必要性を理解できず服薬しない「病識低下」、何事も意欲がなく、自分から会話や行動を開始できない「発動性低下」などの症状がある。「このような症状に対しては、各症状別に対処法がある」と講師の竹中さん。

 講座は、脳卒中後、高次脳機能障害と診断された70歳男性のAさんの事例をふまえて進行された。Aさんは高血圧と診断され、医師から降圧剤が処方されているが、服薬を拒否する傾向にある。そんなAさんに対して、例えば、服薬の必要性を紙に書いて文字として認識させたり、血圧測定値を血圧手帳に記載する習慣を促したり、その数値をグラフ化し、平均値との差がわかるように記載するなど、本人の理解できるスピードとタイミングを確認しながら指導を行うことにより、服薬をするようになったという。

 「なんでそんなこともできないの?」「どうしてそんなことするの?」とつい感情的、また否定的なことを言ってしまいたくなるが、高次脳機能障害という病気を理解する事が大事」と竹中さん。

 高次脳機能障害がない人であれば服薬の必要性はすぐに理解ができるが、障害を持った人の場合は物事をすぐに理解することが難しいという現状の中で、本人、そして一緒に生活する家族の負担を軽減する為にも、患者にあった対処法が必要だという。

 千葉県在宅サービス事業者協議会は在宅介護を応援する会として平成21年に発足し現在、70を超える事業所が会員だ。在宅介護に関わる事業所やその職員向けのセミナーや、一般の人でも参加できる市民公開講座も年間を通して開催。次回は2015年春に開催予定。

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※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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MyFuna編集部

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