6/30(土)宮城県雄勝町、女川町、牡鹿半島それぞれの復興、ホタテ漁を体験-ふなひま体験レポート
宮城県の今。それぞれの復興状況
↑68人が亡くなり6人が行方不明だという大川小学校 には多くの人が献花に訪れる |
去る5月20日にのべ5,000人を動員し、船橋駅周辺の飲食店45店舗と一緒になって開催した食べ歩きイベント『ふなばシル』で集まった寄付94,800円。これに端数分を補填した10万円の支援金を渡すべく宮城県石巻市を訪問してきました。
前日夜中に車で出発し、翌朝から支援先を訪問する強行スケジュール。今回の同行者は9月15日に開催する「ふなばしハワイアンフェスティバル」実行委員会の面々。プログラマーと、ビデオカメラマン、パティシエとの4人組。
船橋を22時に出発し、途中休憩を挟み仙台市内到着が午前4時。仙台市内で合流予定のパティシエとの約束の時間6時まで間があったので、仙台市内を少し歩いてみました。
宮城県仙台市の中心部早朝
震災直後には復興需要で各地から人が集まってきていたという仙台市内。昨年は、ビジネスホテルも長い間満室が続いていたと聞いていましたが、現在は落ち着いている様子。「平日はホテルの予約も満室になることは稀ですよ」と某ホテルのスタッフ。朝が早すぎるためか、特に変わった様子も見られない仙台市内でした。
宮城県石巻市雄勝町のホタテ漁師
↑震災で浜が120センチ沈下した立浜漁港 |
午前8時、石巻市雄勝町に到着。牡蠣とホタテの養殖をなりわいとしている漁師さんを尋ねました。
雄勝町の立浜では、ホタテの初出荷を控え活気付いていました。震災で20艘あった船も1艘だけになり、30世帯以上あった家屋も1軒を残した全てが15メートルの津波にさらわれてしまったという立浜。もちろん、牡蠣やホタテの養殖を行っていた筏も一緒に流されてしまいましたが、この1年ちょっとでホタテを出荷できる所までこぎつけました。
わずか1年で漁業復活が見えてきた裏には「浜松やらまいか隊」「日本を美しくする会」というボランティア団体の力があったそうです。「彼らががれき撤去のために毎日のように来てくれたお陰で、我々は漁業の復興だけに意識を注げた。他の浜に比べて1~2年は差をつけることができたのでは」と、自治会長の末永勝紀さん(74)は語ってくれた。「一口オーナー制度で集まったお金で浜のみんなが共同で使える施設を整備する事もできました」とも。
そんな同町で目下のところ、悩みの種になっているのは「風評被害」だという。同地区では、出荷前に「セシウム」の検査と「貝毒」の検査が厳しく行われているし、「これまでにセシウムが検知された事はない」と宮城県漁業協同組合ホタテ部会の部会長横江昭さん(52)は胸を張る。
「うちらの浜は、宮城県内でもホタテの水揚げ量では一番でした。県内ホタテ水揚げの3分の1はこの浜で揚がっているんです」と別の漁師さん。ホタテの成長具合は震災前よりもむしろ良いくらいだという。「値決め会」があることによって今回出荷のホタテにも値がついた。例年よりも1割程度高い評価だという。
「風評被害が無ければ十分に生活が成り立つ目処は立ちました。今後は仲買さんを通さなくてもインターネットなどで消費者と直接やり取りできる仕組みを構築してゆきたい」と若手のリーダー格である青木祐次さん(42)は語ってくれた。
↑自治会長の末永勝紀さん | |
↑共同使用する機器は一口オーナーの基金で購入 | ↑若手のリーダー青木祐次さん(中央) |
↑震災後につくったピカピカの新品 | ↑ホタテの成長具合をチェックする |
↑産地直送。まさにとれたて新鮮なホタテ | ↑ぷりぷりのホタテを試食させていただきました |
宮城県女川町で復興支援グッズを製造
↑街の中心部に今も横転したままのビル |
女川市街地には、津波で流され横倒しになったままのビルが今でも残っています。「モニュメントとして残してゆくのではないか」という街の声も聞こえた。中心部から程近い場所に工場と直販のお店を構えている合同会社Y.M.O(宮城県仙台市青葉区本町2-10-33/本社)の女川工場(宮城県牡鹿郡女川町浦宿浜字浦宿81-75)を訪ねた。
同社は、仮設住宅で暮らす人と一緒に復興支援グッズを製作・販売している。販売ルートは多岐に渡り、各地で行われる復興支援イベントに参加し、直接販売する場合や百貨店などと交渉して卸にも力を入れている。
工場で製作しているのは、クルミ科の「ブラックウォルナット」やカエデ科の「ハードメイプル」のほか「オーク」や「桜」といった木端を使ったストラップや、革をつかったブレスレット、地元アーティストのイラストTシャツなどの商品。
10センチ程度の木片を粗く削り、やすりで磨きをかけ滑らかな曲線が特徴的なストラップに仕上げます。本物の木材を使用しているので一つ一つの商品それぞれに木目が違い独特の風合いをかもし出しています。
今回は、9月15日に開催するふなばしハワイアンフェスティバルへの出店要請で事務所にお邪魔し代表の湯浅輝樹さんと打ち合わせにお邪魔しました。当日は、東北で志を同じくしている復興支援団体を引き連れてイベントに参加してくれることになりました。
↑商品が展示されている「onagawa fish house」 | ↑ストラップはウォルナット、オーク、メープル、桜の4種 |
↑作業は仮設住宅の女性達が行う | ↑手作業で磨かれる「onagawa fish」ストラップ |
↑女性が他に持っている木片からストラップが作られる |
宮城県女川町でコラボスクール
女川第一小学校(宮城県牡鹿郡女川町女川浜大原310)の校庭が仮設住宅として使用されているため使われていない校舎を利用してコラボスクール「女川向学館」を訪問した。運営するのは、NPO法人カタリバ。
女川向学館は、震災の影響で夢や進学をあきらめる子どもを生まないため運営されている放課後学校。基礎学力の向上や、震災の影響で少なくなっている授業を補填するなどの事業を行っている。
子ども達の勉強をみているのは、震災前に近隣で学習塾を経営していたプロ達。大手企業や外資系企業からの寄付で運営されている事業予算の中から、給料を受け取り、業務として子ども達の勉強をみられる仕組みになっている。
同校スタッフによると、震災前女川の街から仙台の私立高校に進学する生徒も少なからずいたというが、現在は近場での進学希望者が増えているという。
↑パソコンを使って効率的に勉強をみる | ↑個室も用意されている |
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください
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