2011年09月02日 配信

9/2(金)台風が与える漁業に与える経済被害/船橋市漁業組合

アサリ漁に大きな被害を与える天災『青潮』

もっと大きな被害を与えるという『江戸川放水路』

IMGP1572kanehati.jpg IMGP0810.JPG
   

 日本列直撃の可能性が高いとされている台風12号。この影響により江戸川放水路が開放される可能性でてきたのだという。

 

 利根川上流の山林付近に大きな降雨が続くと江戸川へ流れ込む水量が増し、下流域での氾濫を防ぐため江戸川放水路が開放される。放水路は江戸川の水を三番瀬へ放出する役目を持つ。普段は、水門で封鎖されているがこの水路を開放する事で江戸川下流域への水害がなくなるという仕組みだ。

 しかし、水門が開放される事で三番瀬に面し漁業を行っている漁師には大きな問題があらわれる。「放水路が開放されてしまうと東京湾のアサリやホンビノス貝は泥をかぶり窒息、全滅してしまう。今年いっぱい、下手をしたら来年まで漁師は仕事を失う」と船橋市漁業協同組合 大野一敏組合長。放水路は、三番瀬へ水を放出する際に山からの土砂や江戸川底にある汚泥まで三番瀬に流出する。粘質の高い泥をかぶる事でアサリやホンビノス貝などの貝類、稚魚は窒息してしまうのだ。

 早ければ3日17時頃には放水路の開放が行われる予定だという通知が2日、江戸川河川事務所の名前で船橋市漁業組合に届いた。

 これを受けて、大野組合長は「毎年繰り返される江戸川放水路の開放による三番瀬のアサリ、ハマグリ、ホンビノス貝の被害は、零細な漁業者の死活問題です。解放後の漁場は魚なら田に激変します。貝類が生息する浅海漁場の海底は、べたべたな泥に覆われ、貝類を窒息させ丸々一年は漁労不能となり失業に陥る事になります。江戸川沿岸の住民の生命財産を守るための犠牲にならなければならない理由を教えてください。国民全員が平等なはずなのに、こんな理不急な事があって良いものでしょうか。ご回答下さい」という内容の文書を作成。『国土交通省』宛に『船橋市漁業協同組合 代表理事組合長 大野一敏』の名前で2日、抗議文書を送った。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

この記事を書いた人

MyFuna編集部

MyFuna編集部

スポンサードリンク

記事の場所