2018年05月12日 配信

5/12(土)健伸幼稚園の園児が田植え体験
物の価値を伝えたいと5年前から

 健伸幼稚園(船橋市丸山5-12-7)の園児138人が5月11日、五月晴れのもとに船橋市夏見台4丁目の休耕田を利用した水田で田植えを行った。

 同園では5年前から教育のテーマである「働いて物の価値を学ぶ」ということを、幼児教育の一環として年長児が田植えを行ってきた。幼稚園バスで田んぼに到着すると園児たちは、まずお世話になる農家の方たちへ挨拶。園児らが歌詞を考えたオリジナル曲「豊年の歌」を歌ったあと、1列に並んで田んぼに入り1本1本苗を丁寧に植えていった。

 後ろ向きに植えながら進むのは一苦労で、膝下近くまで泥に埋まり、身動きできなくなってしまう園児も。約15分間の田植えが終わるとあぜ道に用意された水桶で手足を洗ってもらい、次のグループへと交代。園児たちは「おもしろかった」、「お米が楽しみ」と笑顔を見せた。

 湯浅兼司教務主任(41)は「スタッフらがテーマについて話し合いを進めていくうちに自然の体験も少なくなっている子どもたちに田畑で作物を作る経験を通して、作物を作る大変さ、農家の苦労、収穫の喜びなどを学んでほしい。その経験を通して他の物の価値も考えるきっかけになるのではと田植えを始めた」と田植えイベントにかける思いを話した。

 園児たちは、この日の為に去年の年長児たちがまとめた「米作りの記録」を見たり、田んぼやお米の絵本で米作りについて学んできた。

 船橋市内では農家の後継者不足、高齢化、水利を支える電気代の高騰などにより今では水田風景をみることが難しくなってしまった。園児の田植えは、5年前は金杉で行い、その後は鈴身町で行ってきたが、地主の都合により今年は夏見台の休耕田を借りて行うことになった。「子どもたちにとって農家の方たちとの出会いも貴重な体験です」と湯浅先生。

 田植えが終わると園児らは収穫まで度々田んぼを訪れ、稲の成長を観察したり、草取りや虫取りをして、秋の収穫前には案山子を作って田んぼに立てる。稲刈りは園の先生方や父母の手を借りながら鎌で刈り取り、稲を干して、脱穀(足踏み式)、籾摺りなど作業のほとんどを園児が体験。その後は園庭で大きな釜でごはんを焚き、年少、年中児にも振る舞う「お米パーティー」を開く予定。残った藁でほうきなどを作り来年2月の作品展で展示する。ぬか石鹸も作るなど、米作りを通して「物の価値」を余すことなく学んでいく。

 湯浅先生は「お米パーティーでは子どもたちは嬉しいことにごはんを『おいしい』とちゃんと食べてくれ、おかわりする子も。米作りは台風で稲が倒れてしまう等うまくいかないこともありますが、子どもたちにとっては良い経験。卒園生からは『田んぼの楽しかった体験はよくおぼえている』とよく聞きます」とも。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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この記事を書いた人

小林夢生

小林夢生

MyFuna編集部所属、ママ向け情報誌「Mamachi」の編集長。中学1年生(女)と小学校1年生(男)のママです。
ママが“元気”に“楽しく”子育てできる街づくりを目指しています!ハンドメイドマルシェをはじめ、各種イベント企画・運営も行っています。木曜日は「市場カフェ」で終日カフェスタッフもやってます。
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