2018年04月30日 配信

座談会に参加した建設女子たち

4/30(月)建設業界で働く女性職人・監督の「けんせつ姫 座談会」
働きやすい環境や働き方について意見交換

 建設業界で働く女性職人及び現場監督など建設現場で働く女性たちによる本音の座談会「けんせつ姫 座談会」が4月27日、三咲にある「ピーターパン珈琲 三咲店」(船橋市三咲4-12-20)で開催された。

 同座談会の主催は、フリーペーパー「けんせつ姫」の編集部。同フリーペーパーは、今年2月3日に発行。建築や土木の業界の現場で働く女性にフォーカスし、作業着姿とオフタイムの私服姿を対比する写真集形式で編集した。

 今回の座談会は、現場で働く女性職人からのヒアリングに加え、業界内での女性職人同士の横のつながり作りも目的としている。当日は、編集長の柴田久恵さん(45)と、冊子に掲載された女性職人や監督11人が参加。建設業界の女性の働きやすい環境づくりをテーマに、今後のこれからの建設業界がどうあるべきかにつて話しあった。

 建設業界で女性が活躍できるのはどんな時だと思いますか?という質問に、「施主さんと話すときにどうしても工程の説明などでわかりにくくなってしまった場合には、奥様がいらっしゃれば、料理や化粧などの普段身近にある内容で表現して説明することもあります。そういった部分は、女性ならではといえるのではないでしょうか」と、防水工事を行うイセ化工の大日向弥生(37)さん。現場や道具の整理の仕方、職人や施主への気配りなどが女性が向いてるのではなかという意見が多くみられた。

 男性職人の多い中で気を付けていることはあるかという質問には「基本の挨拶をきちんとしています。コミュニケーションは大事にしていているので、わからなこともどんどん話しかけて教えてもらっています」と広島建設の阿部奈都美さん(28)。他にも、星工務店の城戸帆乃香 さん(19)は「特に飾らず、素の自分を出しながら話すように心がけている。決して自分が女だからという話し方はしません」と話した。

 参加者全員が一貫していたのは、女性だからという理由で仕事をことわらない、できないことにしないということ。男性と同様に仕事をすることで初めて対等な立場で意見も言えるようになるという。普段からコミュニケーションをとり、人間関係を作っていくことでお互いに「持ちつ持たれつ」の仕事環境が成り立つというのだ。

 建設業でも他業種同様に人材不足が深刻になっている。技術やノウハウをもった職人の高齢化が進む一方で、若い人材が業界に入ってこないという。働き方改革として、大手ゼネコンでは毎月1日だけ土曜日を休日にあてるようにしているところもあるようだが、「現場では意見がわかれいている」とも。休みが増えるのは嬉しいことだが、実際の現場ではその分工期が1日減ることになる。しかも、職人は1日あたりの仕事に対して給与支払いを受けている「日給月給」契約も多いため、実際の収入にも直結してくる話だという。

 左官業の原田左官工業所では、10年前から女性職人を積極的に採用をしている。同社の梅田さんは「現場の風景や女性職人が多いという様子や情報がHPに掲載されていたので、ここに就職しようと思ったのもそれがきっかけ。女性に限らず、会社の情報をどんどん公開していくことは重要なのではないか」と話す。

 同じく左官業の村井業務店の高宮希羽子(20)さんは、「自分は職場見学の時初めてこの業界の雰囲気を知りました。建設業界に女性は勿論、若いはどんどん来てほしいとは思いますが、やはり企業側もきちんとした説明や希望する側もそれなりの覚悟を持ってきてほしいとおもう」とも。

 最後に柴田編集長は「まだまだ結婚したらそのまま退職をしてしまう女性が多い業界。でも、結婚したからこそ見えてくる仕事のやり方ややりがいもある。企業側とお互いに理解を深め、結婚しても働ける職場つくりを進めて、女性が一生涯働ける職業としての前例を作っていきたい」とコメント。

 参加者からは「同じ建設業の女性のいろんな意見も聞けて、楽しかったし参考にもなった」と感想があり、座談会は終始笑顔につつまれて幕を閉じた。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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MyFuna編集部

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