2017年09月19日 配信

9/19(火)オリジナルミュージカルを市民が熱演
文化ホール初の試みに鳴りやまぬ喝采

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 船橋市民文化ホール(船橋市本町2-2-5)で9月16日と17日に市民が出演するミュージカル「アンデルセン・光と影の物語~最終章 そして新たな旅立ちへ~」の本公演が行われた。

 今回の公演は2015年から始まった3年事業「アンデルセンプロジェクト」の集大成である。「アンデルセンプロジェクト」とは船橋市の姉妹都市であるデンマークのオーデンセン市生まれの作家「ハンス・C・アンデルセン」を題材とした幅広い年齢層の市民が参加できる創造事業。

 公的助成制度である一般財団法人地域創造を活用し、文化芸術活動を地域に普及させていくことを目的としている。今年は船橋市の市制施行80周年であり、市民力を活用した記念すべき公演となった。

 今年3月の「広報ふなばし」の募集に応募した小学5年生から70代までの68人(うち船橋市民は51人)の出演者は今年5月からプロの指導者のもと37回のワークショップで練習を積み重ね、本番に臨んだ。メンバーは演劇未経験者からアマチュア劇団の経験者までさまざま。演奏は船橋フィルハーモニー管弦楽団(指揮:北方寛丈)が迫力ある生演奏でミュージカルを盛り上げた。

 脚本・演出は原田一樹さん(劇団キンダースペース主宰)、芸術監督・作曲は船橋市芸術アドバイザーの和田啓さん。劇中歌「ハンスのワルツ」、「旅のつづき」などは作詞を原田さん、作曲は和田さんによるオリジナルである。 

 同プロジェクトでは2015年には朗読劇「ハンスと旅のゆくえ~第1章・雪の女王より~」で14歳に家をでてからのアンデルセンの物語と作品「雪の女王」の世界を表現。2016年は音楽劇「小さい者たちの歌・あふれる物語~第2章「絵のない絵本」「人魚姫」ほかより~」でアンデルセンの物語を展開。今回は少年期にオーデンセから大都会コペンハーゲンに出て、悩み苦しみながら成長するアンデルセンを描いたオリジナルミュージカルである。 2時間以上におよぶ本格的なミュージカルで、船橋市民文化ホールは連日ほぼ満席となり、多くの市民の鳴りやまぬ拍手にカーテンコールが続いた。 

 子ども時代のハンスを演じた横山琳太郎くん(芝山東小学校5年生)は「劇に出るのは初めて。練習は緊張したが、今日は練習のすべてを出し切れた」と笑顔をみせる。洗濯女と黄金虫を演じた阿武智子さん(海神在住)は「プロジェクトの1回目から参加。皆さんに支えられました」と。シニア劇団在籍で高齢のハンスを演じた山本善一さん(74)は「先生方の指導のおかげ。仲間みんなで作った感じでいい思い出ができた」と話した。 

 浦和市から訪れた観客の今野智子さんは「想像していたよりすばらしく感動して涙がでそうになった」と目をうるませた。 

 船橋市民文化ホール館長の加藤健一さんは「稽古に勝るものはないので、応募したみなさんが気持ちよく練習に参加してもらえるよう裏方に徹した。年に15回ほどあるホール主催の事業のひとつだが、演技と演奏の全てが市民によるミュージカルは当ホール初の試み。出演者や観客のみなさんにとって思い入れが強いものになりました」と話した。

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