2017年01月13日 配信

1/13(金) 高根町で障がい者の雇用受け皿「わーくはぴねす農園 船橋ファーム」開所式

全168区画がすでに契約済みに

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  県道8号線(通称=船取線)から高根神明社や高根小学校方面に抜ける道沿いに完成した障がい者の就農施設「わーくはぴねす農園 船橋ファーム」(船橋市高根町595-1)の開所式が1月11日、松戸徹市長をはじめ約200人の参加で行われた。

 同農園を運営するのは、障がい者雇用のコンサルティングや就労支援事業を行う「エスプールプラス」(本社:東京都千代田区)。2010年、千葉県市原市に6,700坪の農園を開所して以来、船橋ファームは県内6カ所目、同社運営の農園としては7カ所目となる。

 船橋ファームは、地主である仲村学さんの協力のもと、2,800坪の敷地に大型ビニールハウスが立ち並ぶ。ビニールハウスはボイラーを使用し、気温10度を下回ることがないよう調節された設備となっている。
 「健常者でも、自然の中で野菜を育てるのは容易なことではありません。障がいのある人が、しっかり野菜を収穫できるような環境を用意しています」と、同社社長の和田一紀さん。

 「トラクターなどの機械も事故につながる可能性があるので、一切使用しません。一番危険と言える道具は野菜を切るハサミくらい。また、一般的な土も使っていません。土だと砂埃が舞います。就労者の中には土埃などに対して神経質な方も多いんです」とも。
 そのため培養土の代わりに、発泡スチロールに「パミスサンド」と呼ばれる軽石を細かく砕いた物を土の代わりに敷き詰めた養液栽培装置を使用する。

 敷地内にはハウスのほかに、事務所や更衣室、休憩室として使用するコンテナハウスが6基、共同スペースとして大型冷蔵庫や収穫した農産物の洗浄スペースも用意されている。そのほか、JR西船橋駅〜JR船橋駅〜同園というルートを走る送迎バスも2台配備。

 同社のビジネスモデルは、今後そのパーセンテージが上がることがほぼ確実とされている法定雇用率に則って障がい者を雇用したい企業に対し、農園の敷地を区画貸しする。区画は、障がい者1人の雇用に対して2区画を貸し出しするルール。
 利用している企業の業種は、ホテル業やIT業をはじめ、メーカー、飲食、アパレル業などさまざま。収穫された農産物は、多くの企業が従業員への福利厚生として無償配布したり、社員食堂の食材に使われたりしているという。

 雇用に関しては、特別支援学校やハローワーク、事業所、市の福祉課などと連携を取りながら同社が企業に代わって求職者を集める。同社はこれまでに461人の障がい者雇用を創出し、その定着率は95%以上だという。そのうち7割は知的障がい者、2割が精神障がい者。「自然と触れ合いながら無理なく働くことができ、みなさんは、ニコニコしながら働いています」と和田さん。就労者は大手企業に雇用される形となり、「約10万円の給料を受け取りながら、障がい年金も受給できるので、月十数万円の収入が得られます。所得税も納め、しっかり社会に貢献しています」とも。

 就労希望者は、まず「チャレンジファーム」と呼ばれる実習場所で農業体験をしながら適性チェックがされ、適性と判断された人は、その後、実際の訓練で仕事を覚えてから企業に橋渡しされる。

 船橋ファームでの契約は、すでに10社の企業が契約し、用意された168区画はすでに完売しているとのこと。なお、現在のところ契約企業の中に船橋市内の企業はない。障がい者の雇用は31人、健常者のシルバー人材から雇用される管理者は11人が決まっているが、市内の特別支援学校との契約は今のところまだないという。
 就労が決まっているシルバー人材に関しては、「近隣住民が中心だが農業経験者はほぼゼロ。ここでは農業の技術よりも、温厚に働ける方が合っていると思います」と、和田さんは話す。
 また「船橋ファームはすでに満床の状態なのでもう1園、船橋市内で開設できればとも思っています」とも。

 開所式で松戸徹市長は「船橋市にこういう場所ができてうれしい。あるベテラン農家さんとの話のなかでも『新しい農業』への取り組み必要だ、という話がでました。社会全体で取り組んでいく必要がある」と述べ、新たな障がい者雇用の場に、大きな期待を寄せていた。

 また式典では、ジャズボーカリストのソラリスエイコさんと、12月から同社の農園で働いているエイコさんの息子・TOSHIKIさんが作詞した曲「とびら」を披露。ダウン症を持つTOSHIKIさんが、音楽に合わせてトランペットを演奏すると、会場からは大きな拍手が贈られた。

 「TOSHIKIは今、社会人として充実した人生を送っています。障がいを持つ子の親としての気がかりは子どもの自立。この取り組みは、日本では先進的な取り組みです。私たち家族に光を与えてくれたのは、ここです」とエイコさんは感謝の意を述べた。

 問合せ・就労希望は、エスプールプラス(TEL 0120-997-212、受付時間9時〜19時)まで。

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左からTOSHIKIさんとソラリスエイコさん 現在のハウスの中
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企業らが共同利用する大型冷蔵庫  
   
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