2017年08月27日 配信

8/27(日)鈴身町「皆川牧場」が県内初・農場HACCP取得から1年

従業員とのコミュニケーション不足の解消がカギに

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 船橋市北部の牧場「皆川牧場」(船橋市鈴身町84-2、TEL 047-457-0247)が昨年8月、県内初となる農場HACCP認証農場となってから1年が経過、工程管理により事故の減少だけでなく工程管理で生産性も大いに向上しているという。

 農場HACCPとは、適切な管理・飼育を行い、畜産農場における危機要因分析、必須管理点の考え方を採り入れた飼養衛星管理のこと。農林水産省などが導入を推進している。同牧場は、2013年に農場HACCP推進農場の指定を受け、その後、書類の作成や管理の見直しなどを経て、2016年8月に認証農場の承認を受けた。酪農における農場HACCP認証農場は全国的にもまだ少なく、千葉県内では初の事例となった。

 「HACCP取得に向け、どうしたら従業員の誰もが事故なく作業をできるのかをベースに、体制や管理方法などを徹底的に見直しました。そのため、どうしたら事故をなくせるか、どうしたらみんなが働きやすいかを従業員全員で話し合う場を作るようになったのは、大きな変化でした」と話すのは、同牧場3代目代表の皆川香理さん(48)。同牧場の従業員は現在3人、うち2人はタイからの研修生。言葉の問題もあり、「誰が見てもわかりやすいように」と作業手順などの張り紙はタイ語でも記載し、さらに写真付きで張り出すようにもした。

 スタッフが「管理表の記帳で、毎回名前を書くのはちょっと大変」とミーティングで声に出せば、あらかじめ名前を記載したものを用意するなど、全員が働きやすい環境づくりに注力した。その結果、みんなで同じ方向を向けるようになり、事故もなくなったという。HACCPへの取り組みで最初に購入したというスタッフミーティング用のプレハブルームは、重要な役割を果たしている。

 香理さんは、酪農学園大学を卒業後、1年間のデンマーク研修を経て父が営んでいた同牧場に就農。「デンマークで目にした酪農は、実家やほかで見て来たものとはあまりにも違って、衝撃的でした。この方法なら私も日本で酪農を続けたい、この方法を日本で実現させたい、と思って帰国しました」と、香理さんは当時を振り返る。

 帰国当時に就農した実家の牧場は、鎌ケ谷市内で昭和27年から続く老舗だった。しかし香理さんの描く新牧場実現にはスペースが狭く、平成5年、現在の場所に牛舎を移転。現在は約140頭の牛を所有し、牛が自由に歩いて生活できる「フリーストール方式」の牛舎を2棟、一度に12頭の搾乳をできる「ミルキングパーラー」を所有する。牛は全頭、歩数計付きのICタグで管理され、搾乳時にコンピューターを通してその日の牛の歩行数、乳量などがすべて数字で管理できるようにもなっている。

 「数字でデータが出てきますが、事前の登録処理の間違いが起きることもありますし、やはり人間の目が大切な部分も多いです。さまざまな面で複数の人が2重、3重でチェックできるようにしています」と皆川さん。「周りからは、農場HACCPは取得が大変な割にはお金にならないでしょ?なんていう声も聞きますが、私は取ってよかったと思っています。HACCP取得のためには、作業工程ひとつずつを文書化して管理することが重要とされていたので、そのための慣れない書類づくりは大変でしたけどね」とも話す。

 今回HACCP取得への取り組みに挑戦したきっかけは「いつかチーズを作って販売などもしてみたくて。認証取得で付加価値がつけられるかと思って」という将来像からだったとも明かす。現在は生乳を八千代酪農農業協同組合に出荷するのがメインとなっているが、「いずれは自分でチーズなどの加工品を作り、販売していけたらと思っています。でもチーズって難しいんです」と香理さんは笑顔を見せる。

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   HACCP取得に向け新たに整理された書類
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 管理方針などが細かく掲示されている  両サイドに6頭が並んで一度に搾乳できるミルキングパーラー
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写真付きで作業手順が細かく記載されている  
   
   
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