2017年08月22日 配信

8/22(火)船橋のスズキ漁師が漁師本出版
「若手」、「出る杭」に向けた一途なメッセージ

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 近年スズキの水揚げ日本一と言われている船橋でまき網漁業をする「大傳丸」と海鮮問屋「海光物産」両社の代表を兼任する大野和彦さん(58)が著書「漁魂」を10月15日頃から販売開始することが分かった。

 著書は、船橋市内の書店を中心に販売を予定している。電話での受注も受け付ける予定だという。仕様は、四六版サイズ。口絵8ページ、本文184ページ。定価は1700円(税別)。

 大野さんの経営する「大傳丸」は、スズキの水揚げ量日本一の船橋漁港で巻き網漁を営む。大野さんによると船橋漁港で揚がるスズキは一昨年と昨年とを比較すると水揚げが減少しているという。

 「今までは安ければ、その分たくさん捕って市場に出せばいいやという風潮だった。しかし、一昨年から昨年の漁獲量減少、オリンピックに向けての持続可能な漁業へのチャレンジなどで漁の仕方を見直さなければならない時期になっているのを感じる」と大野さん。

 「持続可能な漁業というのは、魚がいても捕らないことにつながる。世界基準に配慮された漁業で捕れた魚しか選手の食卓には並べられない。世界基準取得に向けて動き出したのがきっかけ」と「漁魂」出版に至ったきっかけを語った。2020年のオリンピックに向けて選手の食事に江戸前海産物を提供したいと考えているが、その為の世界基準取得には1000万円以上の経費がかかるという。また、期間も1年半以上かかる。

 「漁師が魚を思い通りに捕れなくなる事に金を使うんです。矛盾がありますよね。でも、この先の漁業を考えると資源管理の大切さがわかります。そうした観点から持続可能な漁業を考えるようになった。こういう事を発信し続けていたら全国から話を聞きたいと呼んで頂けたり、会いに来てくださる方が増えてきたんです」とも。

 大野さんは自身を、「出る杭」に例えるが、打たれ続けてきたので「出過ぎた杭」になってやろうと思ったと現在の活動を説明する。網元大傳丸は和彦さんで6代目。歴史と伝統を次の走者につなげる立場になったのを感じるという。

 出過ぎて「突き抜ける」ことでたくさんの人に注目されれば、打たれなくなる。そして今回の出版で、各地の「出る杭」漁師や何かをしようという「若い漁師」に興味を持ってもらえる事を期待している。

 国内では1984年をピークに漁業従事者は減り続けている。しかし、世界に目を向けるとアメリカ・カナダ・ノルウェーでは漁業は成長産業。日本では衰退産業なのに。そうした思いのたけをぶつけ、伝統を伝えていくために今回の「漁魂」を執筆することを決めたのだという。

 大野和彦さんは、1959年船橋市生まれ。明治大学商学部卒業と同時に大傳丸入社。1989年同業の中仙丸と海光物産設立。スズキの活〆神経抜きを「瞬〆」として商標登録するなど魚食文化の普及に努める。「江戸前船橋瞬〆すずき」として「千葉県ブランド水産物」「全国のプライドフィッシュ・夏の魚」に認定される。

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